2013 Fiscal Year Research-status Report
頭蓋内胚細胞腫瘍におけるDNAメチル化の全ゲノム的探索
Project/Area Number |
25830093
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
福島 慎太郎 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, リサーチレジデント (30529459)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 頭蓋内胚細胞腫 / メチル化 |
Research Abstract |
我々は頭蓋内胚細胞腫の発生起源およびそのメカニズムを解明し、さらに新たな治療選択肢の可能性を広げることを目的とし、多施設共同研究による網羅的遺伝子解析を行っている。まず頭蓋内発生胚細胞腫65例におけるゲノミクス解析の結果から、KIT/RASの遺伝子変異がジャーミノーマにおいてのみ高頻度にみられ、かつ各々は相互排他的であることを証明し、さらにこれらの遺伝子異常がKIT mRNAの発現とchromosomal instabilityに有意に関連することを証明した。 現在は同腫瘍のエピゲノミクス解析に取り組んでおり、精巣由来3例を含む胚細胞腫58例において凍結検体からDNA抽出を行い、Illumina HumanMethylation450 BeadChipを用いた全ゲノム的DNAメチル化解析を行った。結果ジャーミノーマおよびセミノーマがそれ以外の亜型と比べ明らかな低メチル化状態を呈する腫瘍であることを見出した。さらに混合型胚細胞腫瘍5例においては、HE 染色標本上でジャーミノーマと非ジャーミノーマに分けてマッピングを行った後、各々の成分からDNA 抽出を行い、同様にIllumina HumanMethylation450 BeadChipを用いた全ゲノム的DNAメチル化解析を行った。結果ジャーミノーマはそれ以外の亜型と比べ低メチル化状態を呈しており、上記結果を証明することができた。 その一方でジャーミノーマにおいて特異的にメチル化されている遺伝子をクラスタリング解析により特定した。現在はこれらの遺伝子に対し、パイロシークエンスを用いてさらにメチル化状態を確認する追加実験に取り組んでいる最中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Illumina HumanMethylation450 BeadChipを用いた全ゲノム的DNAメチル化解析に関しては既に予定症例数を満たしている。また26年度に行う予定であった混合型胚細胞腫瘍における個別メチル化解析は既に終了している。 パイロシークエンスを用いたジャーミノーマ特異的メチル化遺伝子の解析に関しては25年度より開始しており、現在も継続中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
統計学的解析に基づいてジャーミノーマ特異的メチル化遺伝子を4-5種に特定し、パイロシークエンスを用いたメチル化状態の解析と並行して、各遺伝子のmRNA発現を定量的real-time PCR法により確認する。
|