• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

虚血性環境下で卵巣癌細胞において発現誘導されるCD69の機能解析

Research Project

Project/Area Number 25830097
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research Institution地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所)

Principal Investigator

金山 知彦  地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (40401187)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords明細胞型卵巣癌 / がん微小環境 / CD69
Research Abstract

予後不良癌としていられる卵巣癌の中で、欧米人に比較して日本人にその割合の多い明細胞型卵巣癌(CCC)において、有用な新規治療法の開発は急務である。これまで我々は新たな治療標的分子の探索を念頭に、癌組織において低酸素領域における従来のHIFs-HREを介した細胞応答メカニズムの他にHIFs-Sp1という新たな遺伝子発現メカニズムを介して活性化される遺伝子群があることを見出している。これら低酸素環境下の新たな細胞応答システムとして考えられる遺伝子の発現変動は、低酸素環境と低血清環境が共存する虚血性環境下においてその反応が増強された。申請時にも述べたように本研究ではCCCにおいて、このような虚血性環境下発現が顕著に増強されるCD69遺伝子に着目し、これまでに報告のないCD69遺伝子の固形癌における役割を明らかにすることで、CD69の持つ未知の機能を明らかにしていきたいと考えている。
これまで、本研究において、虚血性環境下におけるCD69遺伝子発現についてCCCを中心に検討したところ、OVSAYO cellのように強い発現誘導を示す細胞株とともに恒常的に発現の認められた株も存在していることが明らかとなった。またCCCにおいて発現したCD69蛋白質が癌細胞培養液由来のマイクロパーティクル画分として放出されることが明らかとなった。(未発表データ)
次にCCC由来細胞株を用いてCD69強制発現細胞株、CD69ノックダウン細胞株を作製し、虚血性環境下発現誘導されるCD69が固形がん細胞の悪性形質獲得に及ぼす影響を検討した。この結果、CD69はFibronectinを誘引物質とした細胞運動能、浸潤能を亢進させることが明らかとなった。また、Fibronectinへの細胞接着能についてもCD69は増強することを明らかとした。([第11回がんとハイポキシア研究会、平成25年12月]にてポスター発表)

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでの達成度については、順調に解析を行えてきていると考えている。
臨床検体における検討については今年度の課題であるが、強制発現細胞、CD69ノックダウン細胞の作製および、それらを用いた解析を順当に行ってきており、研究の進展は順調であるといえる。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究結果から固形がん細胞に発現したCD69分子がFibronectinを介した機能発現を亢進する可能性が示唆された。このような作用がCD69分子による直接的な作用であるか否かを検討することで更なる作用メカニズムの解明につながると考えられる。その発端として、まずはFibronectin-Integrin(or other ECMs)を介した作用機序についてCD69の関与を検討していきたいと考えている。
また今後、CD69発現によるシグナルカスケードの変化を蛋白質レベルで解析することにより、これまでT cellなどで報告のあるS1P1受容体やJak/STATシグナルといったCD69依存的なシグナル以外に、固形がん細胞で虚血性環境下に発現していると考えられる未知の機能発現機構についてそのプロファイルを知ることができると考えている。
一方で、固形がん由来の臨床検体を用いて、CD69の発現について検討することも今後の研究進展のためには不可欠であると考えている。
また、CD69がマイクロパーティクル中に放出されていたことから、将来的にこのような癌細胞由来CD69分子が生体内(宿主動物)個体にて及ぼす影響をin vivo モデルでの解析を行うための検討を行っていきたいと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

これまで行っている研究用途での使用のほか、虚血性環境下においてCD69依存的に動くシグナルカスケードの網羅的探索のための特異的抗体や、発現解析用のツールを含めた消耗品等を購入するためにも、本研究助成により得られる研究費が必要である。
また、今年度予定している学会等における研究発表時や、英文論文発表時に要する費用等についても本研究助成基金による支援が必要である。
特異的抗体の購入および発現解析ツールをはじめとした消耗品の購入
実験動物の利用やそれらから得られた研究資料の解析のための試薬・キット等の購入
学会発表及び、英文研究論文投稿に際しての諸費用

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 虚血性環境下発現誘導されるCD69は卵巣明細胞癌において細胞運動能、浸潤能を亢進する2013

    • Author(s)
      金山知彦、小井詰史朗、宮城洋平
    • Organizer
      第11回 がんとハイポキシア研究会
    • Place of Presentation
      東北大学 片平さくらホール
    • Year and Date
      20131213-20131214

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi