2013 Fiscal Year Research-status Report
がん薬物療法の超早期の治療効果予測における拡散光イメージングの有用性について
Project/Area Number |
25830105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
上田 重人 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (20646947)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乳がん / 近赤外光イメージング / ヘモグロビン / 酸素飽和度 / 血管新生 / 低酸素 |
Research Abstract |
乳がん患者さんに対しTRSイメージングシステムを用いて、乳房の光イメージングにより乳がん組織のヘモグロビン濃度、酸素飽和度を計測した。平成25年4月から平成26年4月までの間、約200名の患者の両側乳房の計測を実施した。担癌乳房と正常乳房のそれぞれの光パラメーターを比較した結果、対側の正常乳房に比べて、担癌乳房のヘモグロビン濃度は有意に高いことが分かり、また乳癌組織のヘモグロビン濃度はがんの組織学的悪性度や腫瘍径、脈管侵襲因子との相関が認められた。この結果を患者118名におけるデータにまとめ、平成26年4月に欧文雑誌Cancer scienceに掲載を受理された。またこの結果は平成26年度日本乳癌学会総会で発表する予定である。 また、一部の手術症例約30症例のパラフィン包埋切片から免疫組織化学的手法により、乳がん組織のヘモグロビン濃度とVEGF-A発現との相関を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに臨床研究の結果の一部が欧文雑誌Cancer scienceへの掲載が決まった。またさらに抗がん剤の治療効果モニターリングへの応用を進めており、すでに52例の患者の登録を終えて、治療効果との相関を見るため、手術結果を待っている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は抗がん剤の治療効果モニターリング、早期治療効果予測へのTRS光イメージングシステムの応用について検討したい。さらに分子標的療法に応用できるか、検討ている。現在、浜松医大放射線科・乳腺外科との共同臨床研究も立ち上げ、症例集積を進めている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
交付前にすでにTRS光イメージング装置の一部を購入したため、物品費が低くなった。学会報告が平成26年度での発表が多くなったため、旅費が低くなった。人件費は、実際に測定技師を雇用したのが7月以降であったため、実際よりも低くなった。 今年度は学会報告の機会や生化学的実験の機会が増えるため、旅費および物品費が増える予定である。
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