2013 Fiscal Year Research-status Report
新規HDAC/PI3K dual inhibitorの開発
Project/Area Number |
25830110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西條 憲 東北大学, 大学病院, 助教 (70636729)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非臨床試験 / 創薬 / HDAC阻害 / PI3K阻害 |
Research Abstract |
酵母を用いた新規PI3K阻害剤のスクリーニングにおいて、文部科学省がん化学療法支援班の化合物ライブラリーから、HDAC阻害剤であるロミデプシン(FK228)とその類縁体がヒットし、これらがHDAC/PI3K のdual inhibitorであることを見いだした。類縁体はいずれもが強いHDAC阻害活性を有したが、PI3K阻害活性については類縁体ごとに異なり、PI3K阻害活性の強い類縁体ほど強い殺細胞効果を示した。そこで、この研究においては、以下の2項目の研究に取り組んでいる。1.構造活性相関の検討から、より活性の高いHDAC/PI3K dual inhibitorを同定する。2.in vivo実験系において、これらの化合物の抗腫瘍活性の評価し、proof of conceptを行う。平成25年度、1に関しては、東北薬科大学医薬合成化学教室が保有する未評価の類縁体および新規類縁体について、PI3K阻害活性、およびHDAC阻害活性、in vitroでの殺細胞効果の評価を行った結果、活性の強い類縁体FK-Xを同定し得た。この類縁体について論文執筆中である。 2に関して、上記FK-Xを用いて、in vivo実験系において、これらの化合物の抗腫瘍活性の評価を行っている。腫瘍細胞を移植したヌードマウスに、試験物を投与し、抗腫瘍活性の評価を行うと同時に、免疫染色にてHDAC/PI3K dual inhibitionが抗腫瘍活性に寄与していることを確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記2つの研究目的を達成できる見込みである。 構造活性相関の検討から、PI3K阻害活性を高める構造式上の特徴を見つけ、FK-Xの同定に結び付いた。in vivoの研究も順調に進捗しており、H26年度の早期に抗腫瘍効果ならびに作用機序について非臨床POCの取得ができると見込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
抗腫瘍効果が確認できれば、まず非GLP基準での毒性の評価を行う。その後は品質、規格試験を経て、GLP試験の開始を目標とするが、GMP基準での製造体制の構築も必要となり、 企業連携あるいはアカデミア創薬を支援していただく研究資金の獲得が必要になる。最終的にはfirst in human試験、そして難治がんの克服に寄与するHDAC/PI3K dual inhibitorという新しい有望な医薬品の市販につなげたい。
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