2014 Fiscal Year Annual Research Report
従来型ワクチンを凌ぐ有効性を持つマクロファージ指向型ワクチンの免疫誘導機構の解明
Project/Area Number |
25830115
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
村岡 大輔 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20608955)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がんワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
マクロファージ指向性ワクチンによる免疫誘導機構を明らかにするため、抗原/CHP複合体投与後の抗原提示細胞について詳細に検討した。ワクチン皮下投与後、従属リンパ節よりSubscapular macrophageおよびMedullary macrophage、もしくは樹状細胞を回収しそれぞれのポピュレーションの抗原提示能について検討した。その結果、皮下投与後の抗原/CHP複合体は、Medullary macrophageにて効率的にT細胞へと提示されることが明らかになった。これは、皮下投与後の抗原/CHP複合体の抗原提示細胞への取り込み効率と一致していた。次に我々は、マクロファージ指向性ワクチンによる免疫誘導が樹状細胞指向型ワクチンより優る理由を明らかにするため、アジュバントへの感受性に注目をして検討を行った。まず、我々は蛍光標識したCpG ODN(可溶性TL9アゴニスト)をマウスへと皮下投与し、投与後16時間のリンパ節内の抗原提示細胞(マクロファージと樹状細胞)への取り込みをフローサイトメトリーを用いて検討した。その結果、皮下投与されたCpG ODNはリンパ節の樹状細胞と比して、マクロファージにより効率的に取り込まれることが明らかになった。 さらに、CpG ODNおよびpoly I:C投与後のこれら抗原提示細胞の活性化を検討した結果、樹状細胞よりマクロファージの細胞表面上でCD80およびCD86が高く発現していることが明らかになった。以上の結果より、マクロファージ指向性ワクチンはアジュバント感受性の高いマクロファージに抗原を効率的に送達することで、強力な免疫誘導を惹起していると考えられた。本研究は、アジュバント併用ワクチンにおいてマクロファージは有用な抗原提示細胞となり得る可能性や、抗原デリバリーシステムがワクチンによる免疫誘導の機構を大きく左右する可能性を示唆している。
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[Journal Article] Interleukin-17 induces an atypical M2-like macrophage subpopulation that regulates intestinal inflammation.2014
Author(s)
Nishikawa K, Seo N, Torii M, Ma N, Muraoka D, Tawara I, Masuya M, Tanaka K, Takei Y, Shiku H, Katayama N, Kato T.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 9
Pages: :e108494
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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