2013 Fiscal Year Research-status Report
制御性T細胞の細胞遊走制御による免疫抑制解除の基盤研究
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25830117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
榮川 伸吾 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40635265)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 制御性T細胞 |
Research Abstract |
平成25年度、マウスCXCR1 ペプチドによる腫瘍局所のTreg 集積阻害 1) ペプチドの投与量、投与時期の決定 マウス白血病細胞株RLmale1 を用い、腫瘍接種後7、9、11日目にペプチドを5、1.25、0.3、0.08 mg/kgで投与した。0.3-5 mg/kgで腫瘍抑制効果が観察された。投与の時期を腫瘍接種後5、7、9日目、7、9、11日目、9、11、13日目とした。投与5、7、9日目、7、9、11日目で腫瘍抑制効果が見られた。また7日目(1回投与)および7、9、11日目(3回投与)でペプチドを0.3 mg /kg投与した結果、3回投与で腫瘍抑制効果が観察された。 2) 決定した投与条件で複数のマウス腫瘍細胞株を用いた腫瘍縮小効果の検討 1) で決定した条件下で、RLmale1、MethA、CMS17、colon26、4T1、EL4腫瘍細胞株を用いてペプチド投与による腫瘍縮小効果を観察した。腫瘍ごとで効果に差が見られたが、すべての腫瘍で腫瘍抑制効果が観察された(4T1、EL4は部分的)。 3) 決定した投与条件下でTIL 中のTreg の割合が減少するかを検討する RLmale1 2x105 個をBALB/c マウスに皮内に接種し、1)で決定した条件でマウスCXCR1 ペプチドを投与した。未治療群、治療群5匹ずつを使用し、治療後3、6、9日目で形成されたRLmale1 腫瘤を切除し、TILを回収した。TIL についてFACSCantoII によりFoxp3+ Treg の割合を測定した結果、ペプチド投与経過ごとにTILにおけるFoxp3+ Tregの割合の減少が観察された。 以上1)-3)より、CXCR1ペプチドの腫瘍抑制効果が、腫瘍組織に浸潤するTregの減少によるものであるという結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りの結果が得られている。 将来的にヒトへの応用を目指した製薬企業との共同研究にも発展しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
CXCR1ペプチド投与量の検討(最大投与量)が必要であるが、研究計画に従い、今後は同マウス腫瘍モデルを用いて抗腫瘍免疫応答が増強されているかどうかを検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25-27年度の3年間の継続研究であるため。 研究計画に従ったマウス腫瘍モデルにおける免疫学的解析に必要な試薬、動物購入・維持、大学内共同研究室利用費、研究成果発表のための学会参加費などに使用する。
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