2014 Fiscal Year Annual Research Report
EGFR-TKIによる抗腫瘍免疫作用増強を介した新しい治療法の開発
Project/Area Number |
25830122
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷口 智憲 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40424163)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | EGFR-TKI / 免疫抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非小細胞肺癌における、上皮成長因子受容体(EGFR)活性化による免疫抑制作用の解析と、EGFR特異的チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)によるその解除の検討、及び、EGFR-TKIの免疫細胞に対する、直接の機能増強作用の解析を目的とする。 前年度にEGFR-TKIが直接、樹状細胞を刺激する作用を有することを示したが、そのメカニズムを更に詳しく調べた。樹状細胞における、EGFR-TKIによるタンパクリン酸化の変化を、網羅的にリン酸化キナーゼ抗体アレイを用いて解析したところ、いくつかのタンパクで変化があった。そのうちの一つは、Western blotでも、同じ変化が見られ、EGFR-TKIがDCを刺激する場合の標的経路に関与している可能性が示唆された。現在さらに解析中である。 次に、EGFR-TKIのin vivoにおける抗腫瘍免疫応答に対する作用を検討した。前年度において、野生型EGFRを発現するマウス癌細胞株Aを用いた担癌マウスモデルでは、腫瘍抗原特異的なT細胞応答がEGFR-TKI投与によって増強した。さらに、今年度は、別の近郊系マウスで別のマウス癌細胞株Bを用いた場合でも、同様の結果が示された。また、腫瘍組織内の樹状細胞のT細胞刺激能を評価したところ、EGFR-TKI投与群で亢進していた。 以上の結果より、EGFR-TKIは、EGFRとは別の分子を標的として、DCなどの免疫担当細胞に直接機能増強作用を及ぼすことでも、抗腫瘍免疫応答を増強することが示唆された。
|
Research Products
(12 results)
-
[Journal Article] Immunosuppression through constitutively activated NF-κB signalling in human ovarian cancer and its reversal by an NF-κB inhibitor.2014
Author(s)
Nishio H, Yaguchi T, Sugiyama J, Sumimoto H, Umezawa K, Iwata T, Susumu N,Fujii T, Kawamura N, Kobayashi A, Park J, Aoki D, Kawakami Y.
-
Journal Title
Br J Cancer.
Volume: 110
Pages: 2965-74
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-