2013 Fiscal Year Research-status Report
副刺激を調節したγδT細胞を用いた新たな養子免疫療法の可能性の検討
Project/Area Number |
25830124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 透 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00441296)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | γδ T細胞 / PD-1 / 4-1BB / 副刺激 |
Research Abstract |
γδ T細胞を用いた養子免疫療法のdose limiting toxicityを回避するため、それぞれの細胞のエフェクター機能を向上させることを目的に本研究ではT細胞が持つ副刺激のco-stimulatory receptor、co-inhibitory receptorに着目した。γδ T細胞と4-1BB抗体、抗PD-L1抗体との共培養の後、γδ T細胞の活性状態、エフェクター機能を再評価した。その結果、4-1BB抗体と抗PD-L1抗体単独では1.7倍、1.3倍の活性状態向上であったが、併用によって1.8倍まで活性状態が向上した。同様にIFNγの産生は単独では1.7倍、1.9倍であったが併用によって2.2倍まで向上した。更に、T細胞はCD3刺激によってAICD(activation induced cell death)によるアポトーシスを起こすことが分かっているが、共培養によりCD3刺激単独と比較してアポトーシスを呈したγδ T細胞が有意に減少した。その結果としてヒト膀胱癌細胞株に対する抗腫瘍効果は5:1のeffector/target ratioでCD3単独で40%だった抗腫瘍効果が、併用により69%まで増強した。メラノーマに対する抗PD-1抗体がFDAに認可されimmune check pointには注目が注がれているが、γδ T細胞を用いた養子免疫療法においても副刺激の調節は有効であることがin vitroの実験で示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りin vitroの実験は概ね終了している。アポトーシスに関するフローサイトメトリーを用いた実験は終了しているが、定量PCR実験が未であり、まず定量PCRを行い抗PD-L1抗体によりγδ T細胞のアポトーシスが予防できることを証明する。更に各in vitroの実験の追試を行った後にin vivoの実験を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroの実験を証明するため、マウス膀胱癌モデルを用いて副刺激を調節したγδ T細胞の抗腫瘍効果ならびに安全性を検討する。マウス膀胱癌モデルに対して4-1BB抗体、抗PD-L1抗体単独、または両者で前処置したγδ T細胞を腹腔内投与し抗腫瘍効果ならびに安全性について検討する。期待された抗腫瘍効果が得られない場合はγδ T細胞の投与方法や投与細胞数、投与タイミングの変更等を考慮し、再度検討する。
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