2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜プロテオーム解析を用いた成人T細胞性白血病新規治療標的分子の探索
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25830126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 誠人 東京大学, 新領域創成科学研究科, 客員共同研究員 (60581189)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プロテオミクス / HTLV-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年間の研究期間のうち、2年目である本年度では前年度までのスクリーニングで抽出されたATL群で発現上昇している分子のうち、データベース検索の結果正常組織での発現が低い2分子に関して、優先的にスクリーニング結果の定量バリデーション実験及び機能解析を行った。2分子のうちgrowth-regulatory adhesion molecule (GRAM)に関してはT細胞受容体の下流シグナル経路を介したT細胞活性化制御に関与すること、Ecto-nucleotidase 1に関しては細胞外の核酸を分解する事が機能的に報告されている。ATL検体8例、健常者7例より末梢血単核球をFicollを用いて単離し、各治療標的候補分子に対する特異的抗体を用いた蛍光染色を行い、Flow cytometryによる小規模なバリデーション実験を実施した。その結果、両分子ともに末梢血CD4陽性T細胞における発現が、ATL患者群、特に急性型ないし慢性型で上昇していることが確認された。また、GRAM強陽性を示すCD4陽性細胞を多く保持しているHTLV-1感染者の末梢血CD4陽性T細胞から、GRAM陽性及び陰性細胞を単離し、各サブポピュレーションに含まれるウイルス量を測定した。その結果、GRAM-CD4+T細胞と比較してGRAM+CD4+T細胞でウイルス量が顕著に高いことが確認された。これらのことからGRAMが感染細胞特異的に発現しており、ATLの有望な治療標的になり得ると考えられる。今後抗GRAM抗体によるADCC活性の誘導を通じたATL治療の模擬実験等を行うとともに、ATL以外のHTLV-1関連疾患であるHAM/TSPなどにおいても同様にGRAMが治療標的となりうるか検証していく。
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