2013 Fiscal Year Research-status Report
iChIP法によるゲノム結合分子の高感度解析法の確立及び転写制御機構解明への応用
Project/Area Number |
25830131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 敏次 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (10550030)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | iChIP / SILAC / RNA-Seq / Pax5 |
Research Abstract |
申請者は、生体内でのクロマチン構造を保存したまま解析対象とするゲノム領域を単離する方法として、挿入的クロマチン免疫沈降法 (insertional chromatin immunoprecipitation: iChIP) を考案した。本申請課題では、iChIP法により、細胞内に内在的に存在する1コピーの標的ゲノム領域を単離し、そこに結合する蛋白質・RNA を網羅的に高感度に同定する技術を確立する。具体的には、iChIP 法を利用することで、B リンパ球分化を担う主要分化制御因子であるPax5の遺伝子プロモーター領域に結合する蛋白質・RNA を網羅的に同定する技術を確立する。本申請課題により、転写因子やクロマチン関連因子といった蛋白質やノンコーディング RNA を網羅的に同定できる技術を確立することが出来れば、エピジェネティックな制御機構を含む転写制御機構を包括的に理解でき、従来の方法論では得られなかった生命現象の発見につながると考える。 本年度は、残存する夾雑蛋白質の影響を受けずに、内在性Pax5遺伝子プロモーター領域に結合している蛋白質を網羅的に同定するため、安定同位体元素を利用した定量的質量分析技術であるSILAC法とiChIP法を組み合わせた方法論(iChIP-SILAC)を確立した。また、Pax5遺伝子プロモーター領域をiChIP法で単離し、結合している RNA を次世代シーケンスによって解析する方法論(iChIP-RNA-Seq)も確立した。両方法論を利用することで、Pax5遺伝子プロモーター領域に結合する蛋白質・RNA を網羅的に同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請記載の研究計画に沿って、iChIP-SILAC法、iChIP-RNA-Seq法を確立し、Pax5遺伝子プロモーター領域に結合する蛋白質・RNAを網羅的に同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、同定した蛋白質・RNA に焦点を当て、Pax5 遺伝子発現における生理的意義について解析する。まず、同定した蛋白質・RNA が Pax5 遺伝子発現にどのように関与するかを、in silico 解析をもとに推測・分類する。さらに、エピジェネティックな遺伝子発現制御に関することが予想される蛋白質・RNA については、野生型 DT40 細胞を利用した RNAi によるノックダウン実験や相同組換えによるノックアウト実験によって、Pax5 遺伝子発現に与える影響を解析する。さらに、Pax5 遺伝子プロモーター領域のエピジェネティックな修飾変化について、ChIP 法を用いて解析する。また、ChIP 法や in vitro 結合実験、レポータージーンアッセイや in vitro 転写実験を組み合わせることで、Pax5 遺伝子プロモーター領域上の結合領域についても詳細に同定する。 以上一連の研究により、細胞あたり1コピーの転写制御領域に結合する蛋白質・RNA を網羅的に同定できる技術を確立し、同定した分子を含む遺伝子転写制御機構の包括的理解に迫る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の研究計画が、申請金額より少ない金額で完了したため。 次年度の研究計画重点化のために使用する。
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Research Products
(8 results)