2013 Fiscal Year Research-status Report
高度な信号推定技術によるNMR構造解析の高精度化とin-cell NMRへの応用
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25840018
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Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
角越 和也 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (90431832)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | NMR / 信号処理 |
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| Research Abstract |
核磁気共鳴(NMR)法は、分子の持つ機能のメカニズムを知るために重要となる、分子構造に関する情報を、原子サイズレベルの分解能で得られる実験的手法の一つである。しかしNMR法は、分子量の大きい生体高分子など、構造の複雑性が高い分子を測定する場合には、シグナルの分離を良くするための多次元NMR法などの長時間を要する測定手法を用いる必要があり、その計測時間の長さがNMR法の適用範囲を限定してしまう原因となっている。例えば、近年その応用先として重要視されている、生細胞中のタンパク質をターゲットとした測定も、細胞の寿命により測定時間に制約があり、それ故に多次元NMR測定が非常に困難な状況となっている。
そこで本研究課題では、多次元NMR測定において、従来より少ない標本点の測定データ、すなわち、より短い測定時間で得ることのできるデータから、構造解析に必要とされるスペクトルを推定、構築する手法を開発し、測定に要する時間を大幅に短縮することを目的としている。
当該年度では、その基礎となる、少数の標本点データから圧縮センシングの技術を用いてスペクトルを推定し構築するプログラムの作成、ならびに、今後の解析、評価に必要となるツール群(実際のNMR測定データを間引いてテストデータを作成するプログラム等)の作成を行った。また、NMR測定を行っている実験グループの協力の元、実際の多次元NMR測定データ(in vitroのデータ)を取得し、それらを用いた計算機実験を行い、データの間引き度合いと推定に用いるパラメータが、スペクトルの再現性能へ与える影響について知見の集積を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した当該年度の予定である、(1) 本研究課題の基盤となる、圧縮センシングを用いた多次元NMRスペクトルの再構成プログラムの開発、(2) in vitroの測定データを用いたテストデータの作成、ならびに再構成プログラムの性能評価、(3) 再構成性能に大きな影響を与える、プログラムのパラメータ群の適切な選び方に関する知見の集積の3項目について、すべて実施できたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
多次元NMRスペクトルの再構成プログラムの性能の向上、ならびに、再構成の性能に大きな影響を与えるパラメータの適切な選択を補助するプログラムの開発を行う。また、実験、NMR測定を行っているグループと協力し、実際に短時間でのNMR測定を行い、本研究課題で開発した手法の有効性の実証実験を行っていく予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度に購入を計画していた計算機と同程度の仕様を持つ計算機の価格が、交付申請書の作成時と比較して変動したため、購入物品の仕様、構成、価格を調整したことにより生じた差額を次年度に回したのが主な理由である。
当該年度に生じた差額は、より潤滑な計画の遂行のため、主に次年度購入予定のサーバ計算機の性能の増強に使用する予定である。
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