2015 Fiscal Year Annual Research Report
前駆体マイクロRNAへのポリウリジル化反応の構造基盤
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25840029
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
竹下 大二郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (80613265)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | X線結晶解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
プレマイクロRNAのウリジル化を触媒するポリウリジル化酵素は、ヒトではTUT4およびTUT7の二つが見つかっている。共にN末端から、ジンクフィンガードメイン、ポリメラーゼドメイン、ジンクフィンガードメイン、ポリメラーゼドメイン、タンデムなジンクフィンガードメインで構成されている。TUT4とTUT7はそれぞれ1644残基、1495残基であり、分子量が大きなタンパク質である。結晶化に最適な領域を見出すため、N末端とC末端領域を削った組換えタンパク質を調製した。その結果、N末端のジンクフィンガードメインからC末端の一つのジンクフィンガードメインを含む領域のタンパク質が、Lin28依存的なポリウリジル化活性に必要であることがわかった。続いて、TUT・Lin28・プレマイクロRNA三者複合体の調製は行った。 三者複合体の調製のため、以下の試料を調製した。TUTは、TUT4のN末端とC末端領域を削ったタンパク質の発現コンストラクトを調製し、大腸菌で大量発現させた。数種のカラムを用いて、ほぼ単一バンドになるまで精製を行った。Lin28についても同様に、N末端とC末端領域を削ったタンパク質の発現コンストラクトを調製し、大腸菌で大量発現した。数種のカラムによって精製し、純度が高いタンパク質を調製した。プレマイクロRNAとしては、合成RNAと転写したRNAなどさまざまな長さ、配列のものを調製した。 TUT・Lin28・プレマイクロRNAを混合し、ゲルろ過カラムによって複合体を確認した。精製した複合体を用いて結晶化スクリーニングを行ったが、結晶を得ることはできなかった。続いて、TUTの触媒部位に着目し、発現コンストラクトの作製とタンパク質発現精製を行った。その結果、一つのコンストラクトで結晶を得ることができ、現在5Å程度の分解能のX線回折データを収集している。
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