2014 Fiscal Year Research-status Report
カゼインをゴルジ体でリン酸化する真のカゼインキナーゼの探索
Project/Area Number |
25840031
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石川 裕之 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00398819)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゴルジ体キナーゼ / リン酸化 / 翻訳後修飾 / 分泌経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ミルク中の分泌性タンパク質であるカゼインをゴルジ体でリン酸化するキナーゼ分子(ゴルジ体キナーゼ)を明らかにすることを目的としている。ミルク中に含まれる主要なタンパク質であるカゼインは、リン酸化タンパク質として古くから知られてきた。乳腺細胞のゴルジ体画分を用いた古典的な研究により、カゼインは3種類のキナーゼ(CK1, CK2, Golgi-Casein Kinase)によりリン酸化されることが示されたが、その分子実体は不明であった。これまでに本研究者は、Golgi-Casein Kinase分子としてFAM20Cを同定した。そこで、カゼインをリン酸化する残り2種類のゴルジ体キナーゼ(CK1, CK2)を同定し、ゴルジ体におけるカゼインのリン酸化機構の全容解明を目指している。 カゼイン中のCK1とCK2配列をリン酸化するゴルジ体キナーゼとして、4つの可能性を考えている。1) FAM20Cとファミリーを形成する遺伝子群のいずれかがリン酸化する、2) FAM20Cがリン酸化する、3) 細胞質キナーゼとして知られるCasein Kinase1と2がリン酸化する、4) 未知のキナーぜ分子がリン酸化する。これらの可能性を考慮しつつ、真のカゼインキナーゼの同定を試みている。 本年度は、アミノ酸配列の相同検索により、FAM20Cファミリーと予測される新規遺伝子群の同定に成功し、発現ベクターへのクローニング、培養細胞での発現および培養液からのタンパク質精製を行った。今後、精製したタンパク質を酵素源としてキナーゼ活性を測定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カゼインをゴルジ体でリン酸化するキナーゼ分子(ゴルジ体キナーゼ)を明らかにすることを目的として、ゴルジ体キナーゼFour-jointedを用いたアミノ酸配列の相同性検索により、新規ゴルジ体キナーゼ候補として6種類の新規遺伝子を同定した。これらの候補分子は、本研究者がこれまでに生化学的機能を明らかにしたゴルジ体キナーゼFour-jointedおよびFAM20Cとファミリーを形成している。これらの候補分子は、キナーゼ活性に必須なアミノ酸配列が保存されているため、ゴルジ体キナーゼである可能性が高い。そこで、これらゴルジ体キナーゼの候補分子が、CK1あるいはCK2配列をリン酸化するかin vitroキナーゼ活性測定により調べることにした。 平成26年度は、アミノ酸配列の相同性検索により、ゴルジ体キナーゼの新たな候補遺伝子の同定に成功し、これらの遺伝子クローニングおよびタンパク質の精製を完了した。一方で、本年度実施する予定であった、精製したタンパク質を酵素源としたin vitroキナーゼ活性測定を行うには至らなかった。以上から、全体として本研究はやや遅れていると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画にしたがって研究を推進する。これまでに精製した候補分子にカゼインキナーゼ活性が認められなかった場合、FAM20CがCK1とCK2配列をリン酸化する可能性、細胞質キナーゼとして知られるCasein Kinase1と2がリン酸化する可能性、未知のキナーゼ分子がリン酸化する可能性、ついて検討していく。これらの実験により同定されたカゼインキナーゼが、内在性のカゼインのリン酸化にも寄与しているか乳腺細胞の初代培養系を用いて確かめる。
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Causes of Carryover |
平成26年度の研究計画において、精製したタンパク質を酵素源としてキナーゼ活性の測定を行う予定であったが、キナーゼ活性を測定するまでに至らなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、精製したタンパク質を酵素源としたin vitroキナーゼ活性測定のために使用する。
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[Journal Article] O-fucose monosaccharide of Drosophila Notch has a temperature-sensitive function and cooperates with O-glucose glycan in Notch transport and Notch signaling activation.2015
Author(s)
Ishio A, Sasamura T, Ayukawa T, Kuroda J, Ishikawa HO, Aoyama N, Matsumoto K, Gushiken T, Okajima T, Yamakawa T, Matsuno K.
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Journal Title
J Biol Chem
Volume: 290
Pages: 505-519
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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