2013 Fiscal Year Research-status Report
T細胞サブセット特異的な細胞膜ガングリオシド発現の機能的意義の解明
Project/Area Number |
25840040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
永福 正和 東北薬科大学, 薬学部, 助教 (20399976)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ガングリオシド / T細胞 / T細胞受容体 / スフィンゴ脂質 / ラフト |
Research Abstract |
25年度では、まずT細胞の分化過程におけるガングリオシドの発現パターンを解析した。マウス胸腺細胞を分化系列マーカー、コレラ毒素(Gal-(SA)-GalNAc-Gal構造を持つガングリオシドを認識)にて多重染色を行った。その結果、ガングリオシドはDN3ステージ(CD4-CD8-CD44-CD25+)で急激な発現上昇が起こり、DP(CD4+CD8+)で発現を低下させた後、CD8SP(CD4-CD8+)で顕著な増加を示した。また、ガングリオシド合成酵素遺伝子の欠損マウスを解析すると、T細胞分化はDN3aステージで著明に抑制されている。この欠損マウスの胎児肝臓由来造血幹細胞をin vitroにてT細胞に分化誘導したところ、やはり分化は抑制されていた。このことは、in vivoにおけるDN3aステージの分化抑制は胸腺環境の異常ではなく、T細胞系列の未分化細胞の異常によることを示している。以上より、T細胞成熟過程におけるユニークなガングリオシド発現パターンはT細胞分化において重要な意義をもつことを示唆している。 また、ヒトT細胞におけるガングリオシド発現をLC/MS解析したところ、主要な分子種はGM3であり、さらにGD3も発現していた。さらに、脂肪酸側鎖の長さとしてC18が主要であった。今後は、T細胞活性化後やアレルギー喘息患者T細胞においガングリオシド発現がどのように変化するかを捉えたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定通り進捗しており、現在、大きな問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
T細胞分化におけるガングリオシド発現の意義については、欠損マウスで認められた未熟T細胞の分化障害の分子メカニズムを解析する。T細胞分化では分化シグナル、増殖シグナルおよび生存シグナルのバランスが重要であることから、種々の受容体シグナルや分化に必須の転写因子の活性化を検討していく。また、喪失したガングリオシドを補充することにより、分化能が回復するか否かを検討する。また、アレルギー喘息におけるT細胞ガングリオシド発現の意義については、東北薬科大病院との打ち合わせを重ねており、正常T細胞とアレルギー喘息患者あるいは薬物治療後緩解患者T細胞におけるガングリオシド発現を解析する。また、ガングリオシド発現を抑制することによって、患者T細胞の異常な活性化を制御できるか検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
T細胞分化におけるガングリオシド発現の意義については、欠損マウスで認められた未熟T細胞の分化障害の分子メカニズムを解析する。T細胞分化では分化シグナル、増殖シグナルおよび生存シグナルのバランスが重要であることから、種々の受容体シグナルや分化に必須の転写因子の活性化を検討していく。また、喪失したガングリオシドを補充することにより、分化能が回復するか否かを検討する。また、アレルギー喘息におけるT細胞ガングリオシド発現の意義については、東北薬科大病院との打ち合わせを重ねており、正常T細胞とアレルギー喘息患者あるいは薬物治療後緩解患者T細胞におけるガングリオシド発現を解析する。また、ガングリオシド発現を抑制することによって、患者T細胞の異常な活性化を制御できるか検討していく。以上を遂行するために次年度も予算が必要となった。 実験用動物の購入、実験試薬および器具の購入、DNAマイクロアレイ外部発注、研究成果の発表おおび論文投稿に使用する予定である。
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