2014 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞サブセット特異的な細胞膜ガングリオシド発現の機能的意義の解明
Project/Area Number |
25840040
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
永福 正和 東北薬科大学, 薬学部, 助教 (20399976)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | T細胞 / 胸腺細胞 / ガングリオシド / ラフト |
Outline of Annual Research Achievements |
ガングリオシド欠損マウス(GM3SとGM2/GD2Sの二重欠損マウス)では胸腺におけるT細胞の分化がDN3(double negative 3)で停止することを既に見出している。また、前年度の成果より、T細胞分化の停止の原因が、胸腺の支持組織の機能異常ではなく未熟T細胞自体に障害があることを解明した。今年度はガングリオシドを欠損した未熟T細胞にどのような障害があるかを検討した。DN3のステージでは、TCRb遺伝子の再構成が起こることが知られており、本欠損マウスにおいてTCRの発現の有無を解析したところ、TCRの発現が顕著に低下していることを見いだした。従って、ガングリオシドを欠損したとき、TCRの再構成に障害が及ぶことにより、T細胞の分化が停止することが示唆された。 また、ガングリオシド生合成阻害剤を用いてヒト末梢血T細胞の機能におけるガングリオシドの役割の解析を試みた。抗原刺激を施したヘルパーT細胞はTh1,Th2,Th17などの機能的サブセットに分化することが知られている。ヒトナイーブヘルパーT細胞におけるガングリオシドの生合成を阻害したところ、Th1の分化は抑制された。一方、非常に興味深いことにTh2への分化は促進されるという結果を得た。すなわち、ナイーブT細胞がTh1とTh2に向かう分化を選択する際に、細胞膜ガングリオシドの存在が重要な要素となっていることを示唆するものである。現在、この分化に選択に対してガングリオシドを基盤とした細胞膜脂質ドメインのシグナル伝達を解析しているところである。
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[Journal Article] Control of Homeostatic and Pathogenic Balance in Adipose Tissue by Ganglioside GM32015
Author(s)
Nagafuku, M., Sato, T., Sato, S., Shimizu, K., Taira, T., Inokuchi, J.
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Journal Title
Glycobiology
Volume: 25
Pages: 303-318
DOI
Peer Reviewed
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