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2013 Fiscal Year Research-status Report

真核生物タンパク質の凝集性の網羅的解析

Research Project

Project/Area Number 25840045
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

丹羽 達也  東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (50588530)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywordsタンパク質凝集 / タンパク質フォールディング / 無細胞タンパク質合成系 / 網羅解析
Research Abstract

本研究の目的である、原核生物、真核生物の違いを超えたタンパク質凝集・フォールディングに関する一般則に迫るために、再構築型の無細胞タンパク質合成系を利用して多種類の酵母タンパク質の凝集性の評価を網羅的に行っている。私たちの過去の研究において、原核生物である大腸菌が持つタンパク質の凝集性およびシャペロンによる可溶性の評価が完了しているため、その次のステップといえる真核生物のモデルである出芽酵母のタンパク質に対して同様の解析の準備を行い、実際に解析を進めてきた。
現在のところ、その第一段階である、分子シャペロンを加えない条件における約500種類の酵母細胞質タンパク質の凝集性の網羅解析が完了しており、その結果の統計解析に着手しているところである。また次年度に行う予定であった分子シャペロンの調製については、当初予定していたGroEL/ES、DnaK/DnaJ/GrpE、Ssa1/Ydj1については精製標品の取得が完了しており、さらなる種類のシャペロンについて準備等の検討に入っている。
統計解析については、主にSaccharomyces Genome Databaseを用いて分子量やアミノ酸組成等の基本的なタンパク質の性質を抽出し、実験結果との比較をおこなっている。今後はこのような統計解析をさらに推し進めていくとともに、分子シャペロンによる可溶化効果の網羅解析も完了させ、それらの解析データを総合することで、生物の界を超えたタンパク質一般に共通するタンパク質凝集・フォールディングに関する知見を見いだすことを目指したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

現在、分子シャペロンを加えない条件における約500種類の酵母細胞質タンパク質の凝集性の網羅解析が完了し、実験結果の解析を行っているところである。分子シャペロンを加えない条件いにおける網羅解析を予定よりも早く完了させることができたため、当初の予定では平成26年度の始めに行うつもりであった分子シャペロンの調製まで既に行うことができている。これについては現在主要な分子シャペロンについて精製標品の取得および活性の確認、また実験に用いる際の最適濃度の検討まで進めることができている。実験結果の統計解析についてもまだ完了とまではいかないが、主なパラメータについては既に比較が完了しており、より詳細なパラメータの算出方法についても検討を進めているところである。

Strategy for Future Research Activity

今後については、まずは分子シャペロンを加えた条件での凝集性の網羅解析を推し進めていく。こちらについては平成25年度中に十分な準備が済んでおり、すぐにでも着手していく予定である。実験操作自体は同様であるため、2~3ヶ月を目処に完了させることができるはずである。
これらの実験結果が出揃ったら、データの解析について本腰を入れて行っていく。分子量やアミノ酸組成等の基本的な情報は既に取得済みであるが、翻訳後修飾やサブユニット構成などのより細かい性質については、様々なデータベースを調べたり、場合によっては自分たちで適切な情報集約を行っていくことも検討している。また酵母のタンパク質は様々なプロテオーム/インターラクトーム解析によって、細胞内での発現量や相互作用タンパク質の情報が豊富に蓄積されているため、これらの情報も活用していくつもりである。さらにタンパク質の立体構造情報についても、過去の解析で用いたSCOPデータベースの活用や、自分自身で立体構造情報を操ることでタンパク質の凝集性やフォールディングと関係するような情報を抽出していきたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度の前半で、様々な準備のために比較的多くの金額を消化してしまったため、途中で前倒し支払請求を申請(間接経費込みで1,300,000円)したが、実際には当初の予定通りの金額以下に出費を抑えることができたため、主にその分が余剰となってしまった。またプラスチックチューブなどの消耗品をできるだけ安価なもので代用するなどの工夫や、備品についても共通機器などを融通することによって支出をスリム化できた点も寄与している。また前倒し支払請求の際に、当初は平成26年度に購入する予定の備品を前倒し請求分を用いて購入するとして申請を行ってしまったが、実験の進行上、実際にはその備品の購入を急ぐ必要がなくなったため、その購入費用が丸々余剰として金額が計上されてしまっている。
理由の項で述べた通り、次年度使用額の大半は当初の予定では平成26年度に使用する予定であったため、申請時の計画にある備品や消耗品等の購入に充てる予定である。また今年度はこの科目の最終年度であるため、平成25年度にスリム化した予算を利用して小額備品や消耗品の使用を工夫することで、できる限り早期に実験を完了させ、残りを解析などに割けるように進めていきたい。また解析の際に学外の共同研究者やデータ解析のエキスパートの方の助言を頂くことで、よりインパクトの高い解析を行うことを目指していきたいと考えており、その研究打ち合わせのための旅費としても当初の予定以上に活用していきたいと考えている。

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Published: 2015-05-28  

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