2013 Fiscal Year Research-status Report
細胞内におけるアクチン構造多型の検出とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
25840057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
野口 太郎 都城工業高等専門学校, 物質工学科, 助教 (90615866)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アクチン |
Research Abstract |
アクチンは様々な生理機能にとって重要な役割を果たしている。また、アクチンの分子構造に多様性があることがin vitroの実験系において示唆されている。しかし、これらの構造多型が細胞内でも実際に起きているのかについては不明であり、また、実際に起きている場合でも、細胞機能との関連性については分かっていない。本研究では細胞内でアクチンの構造分布を検出可能なFRETプローブアクチンを構築し、細胞内に導入することで細胞内におけるアクチン状態の多様性とその機能解明することを目的としている。 まず細胞内アクチンの構造分布検出のため、蛍光色素を特異的に結合させるための変異を導入したアクチンの発現と精製、蛍光ラベルを行うことで、新規FRETプローブアクチンを構築した。これが構造検出用のプローブとしての機能を確認するため、重合時の蛍光を測定したところ、重合に伴いアクセプターとドナーの蛍光強度が逆相関的に変化する様子が測定され、FRETプローブとしての機能を有していることを確認した。 膜透過試薬やエレクトロポレーターによるFRETプローブアクチンの細胞内への導入を試みたが、導入量が少なく、導入されたアクチンの多くも小胞体と思われる構造体に入ってしまう様子が観察された。しかしその一方で、微量ながらも細胞質に存在するFRETプローブアクチンからは局所的に構造状態の異なるアクチンが細胞内に存在することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アクチンの細胞内導入に予想以上に条件検討が必要であり時間を要したが、その一方でFRETプローブアクチンの構築が順調に進んだため、全体としてはおおむね順調であったと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はより効率的な細胞内へのアクチンの導入方法を検討する。その一方、構造変化を抑制した変異アクチンや、架橋試薬により架橋した架橋アクチンを細胞内に導入し、細胞の機能に影響があるか確認する。また、アクチンの構造状態に違いが見られた領域に局在する結合蛋白質を同定し、生化学的にアクチン構造との関連を調べる。
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Research Products
(3 results)