2014 Fiscal Year Annual Research Report
ディープエッチEM-PALM相関顕微鏡法の確立、膜ダイナミクス研究への適用
Project/Area Number |
25840071
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 安寿弥 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 研究員 (90467340)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カベオラ / 電子顕微鏡 / 超解像度顕微鏡法 / correlation microscopy |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は細胞膜を「面」として捉えることができる急速凍結・ディープエッチレプリカ電子顕微鏡法(ディープエッチEM)と超解像度光学顕微鏡イメジング技術による同一視野・同一構造のcorrelation microscopyを確立し、細胞膜陥入構造、特にカベオラの構成分子の局在と曲率調節との関連、曲率調節のメカニズムを明らかにすることを目的として行い、以下の成果を得た。 (1)ディープエッチEMによって、カベオラは細胞膜表面において様々な曲率を示すこと、細胞膜のコレステロール量を増減させることによってカベオラの曲率変化を誘導できること分かった。更に、correlation microscopyを確立することに成功し、全ての曲率のカベオラが、その構成分子であるタンパク質カベオリンのクラスターを有することを示すことに成功した。 (2)平成26年度は、細胞膜のコレステロール量操作によってカベオラの曲率が変化することを利用し、曲率変化が可逆的であるかどうかを検討した。その結果、平坦化したカベオラは、細胞膜コレステロール量の増加によって陥入状態に戻ることを示すことに成功した。このようなカベオラの曲率の変化は数分という短時間で起こること、同様の曲率変化が単離した細胞膜においても起こることを確認した。これらの結果から、カベオラは細胞膜の脂質環境に応じて曲率を可逆的に調節すること、この反応は一切のエネルギーを必要としないことが示唆された。一方、細胞膜からのベシクルを介さない、エネルギー非依存的なコレステロール輸送に関与すると示唆されている小胞体の構造変化、細胞膜近傍の小胞体へのカベオラの集積は認められなかった。
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