2014 Fiscal Year Annual Research Report
早期染色体凝縮システムとリン酸化プロテオミクスを用いた染色体凝縮機構の解明
Project/Area Number |
25840073
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 英昭 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20455207)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Chromosome condensation / Phospoproteomics / Phosphorylation / Chromatin |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分裂期にクロマチンが凝縮して染色体が構築されるメカニズムを、タンパク質のリン酸化に注目して明らかにすることを目的としている。クロマチン凝縮に関わるタンパク質のリン酸化を同定するために、本研究では早期染色体凝縮(Premature chromosome condensation: PCC)システムを用いて間期細胞から染色体凝縮を誘導し、その際にリン酸化されるタンパク質を質量分析により網羅的に同定した。 HeLa細胞を用いてダブルチミジンブロックにより、細胞周期をG2期に同調した細胞とM期に同調した細胞を用意した。また、G2期に同調した細胞はCalyculin Aで処理することでPCCを誘導した細胞も用意した。これら3種類の細胞からクロマチン画分を調製し、蛋白質を抽出後、トリプシンによる酵素消化を行い、得られたペプチドからHAMMOC法によりリン酸化ペプチドを濃縮した。得られたリン酸化ペプチドはnano-LC-MS/MSを用いて半定量的な網羅的同定を行った。その結果、クロマチンが凝縮しているG2期でPCCを誘導した細胞とM期細胞で共通してリン酸化がクロマチンが脱凝縮している状態(G2期)よりも上昇する蛋白質として、ヒストンや染色体スキャフォールド蛋白質のように、染色体構造との関連が報告されている蛋白質が多く同定された。これらの蛋白質には既に分裂期にリン酸化されることが報告されているものも含まれていたが、未だ報告がないものも同定されており、今後クロマチン凝縮との関係を調べることは大変興味深い。また、クロマチン凝縮時にリン酸化の上昇を示す蛋白質の中には、これまでに染色体凝縮との関連が報告されてないものも同定されており、これらの蛋白質についての染色体凝縮における機能解析も今後進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The Effect of Magnesium Ions on Chromosome Structure as Observed by Helium Ion Microscopy.2014
Author(s)
Dwiranti, A., Hamano, T., Takata, H., Nagano, S., Guo, H., Ohnishi, K, Wako, T., Uchiyama, S., and Fukui, K.
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Journal Title
Microsc. Microanal.
Volume: 20
Pages: 184-188.
DOI
Peer Reviewed
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