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2013 Fiscal Year Research-status Report

細胞内小器官形成に必要なp97ATPase膜融合の新規必須因子p55の分子機能

Research Project

Project/Area Number 25840078
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

金子 弥生  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20647482)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywordsp47 / p97 / Giantin / ゴルジ / ゴルジ体 / tethering / 膜融合 / 細胞周期
Research Abstract

細胞内小器官であるゴルジ体、小胞体の形成・維持のために、二つの異なるp97膜融合経路、p97/p47経路とp97/p37経路が必要である。p97/p47経路は細胞分裂期における細胞内小器官の再構成に働き、p97/p37経路は細胞周期間期における細胞内小器官の維持に働く。申請者は、p97/p47経路がゴルジ体形成に機能するための特異的な新規必須因子p55を単離同定しているが、本研究ではそのp55の分子機構を明らかにすることを目的とする。
p55は膜貫通領域を持たず、ゴルジ体に局在することから、ゴルジ体膜上で受容体と複合体を形成していることが考えられた。ラット肝から高度に精製したゴルジ体膜より抗p55抗体を用いた免疫沈降でp55のゴルジ体膜上の受容体の単離同定を試みた結果、約300kDaのバンドを得た。このバンドを質量分析法により解析した結果、Giantinを同定することに成功した。リコンビナント蛋白質GST-p47やGST-p97それぞれを高度に精製したゴルジ体膜に加え可溶化した後GSH-beadsで回収した結果、p47、p97それぞれでp55/Giantin複合体の共沈を確認した。よって、p47/p55/Giantin複合体とp97/p55/Giantin複合体が存在することが示唆された。p47とp97はp97/p47複合体を形成することから、Giantin/p55/p47/p97/p55/Giantinという巨大複合体を形成する可能性が考えられる。この巨大複合体の構造は、p97/p47膜融合経路がhomotypic fusionである点において、妥当である。また、Giantinは、他のゴルジ膜融合経路であるNSF経路において、tetheringとして機能する。よって、Giantin/p55/p47/p97/p55/Giantin巨大複合体は、p97/p47膜融合経路において、tetheringシステムとして機能している可能性が考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度の研究実施計画は『p55を含む「機能的複合体」の単離同定』であり、まずは、p55のゴルジ体膜上の受容体であるGiantinを同定することに成功した。さらに、Giantin/p55/p47/p97/p55/Giantinという巨大複合体形成の可能性とその機能を示唆することができた。この可能性を検証することが出来れば、インパクトがある仕事になることは間違いない。平成26年度の研究実施計画の方向性も見通しのよいものになり、論文投稿の目処もつけることが出来た。

Strategy for Future Research Activity

前年度の結果から、p97/p47経路がゴルジ体形成に機能するための特異的な新規必須因子p55の分子機構として、Giantin/p55/p47/p97/p55/Giantinという巨大複合体が存在し、さらにGiantin/p55/p47/p97/p55/Giantin 巨大複合体はp97/p47膜融合経路でtethering複合体として機能している可能性が示唆された。
これらの可能性を検証するため、まず、可溶化したゴルジ体膜から抗Giantin抗体とProteinG-beadsを用いてp55/Giantin-beadsを作成し、p97やp47を加えた際にbeadsが凝集するか(すなわち、beads-Giantin/p55-p97-p47-p55/Giantin-beadsが形成されるか)を観察する。非結合性の変異体(例:p97に結合しないp47F253S変異体, FEBS Lett. 2010 Sep 24;584(18):3873-7.)や様々なバッファー条件を用いることで、巨大複合体の結合様式の詳細について検討する。また、Giantinは他のゴルジ膜融合経路であるNSF経路においてp115と複合体を形成しtetheringとして機能するため、このNSF経路のtetheringシステムとの関係も検討する。ゴルジ体膜を可溶化しスクロース密度勾配遠心法により分画後、p115を含む分画とp55を含む分画にわけ(p115とp55は全く異なる分画に存在し、Giantinはp115、p55どちらの分画にも存在することは検証済である)、それぞれで抗Giantin抗体とProteinG-beadsを用いた免疫沈降を行い、Beads凝集アッセイを行う。
p97/p47膜融合経路で巨大複合体が機能している可能性については、巨大複合体の構成因子に対して、抗体や非結合性変異体を作成し、それらの機能を、申請者の所属する研究室で開発した独自のin vitro系「試験管内ゴルジ体再構成系」を用いて検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

前年度に同定したGiantinの免疫沈降や試験管内ゴルジ体再構成系の阻害実験に使用する抗体が新た必要である。また、Beads凝集アッセイ系を新たに立ち上げるために、様々なBeadsを購入し、比較検討する必要がある。さらに、Beads凝集系に使用するGiantin/p55複合体の材料となるゴルジ体膜や試験管内ゴルジ体再構成系に使用するゴルジ体膜の調製にラットが必要である。
市販抗体の購入やポリクローナル抗体の外注。Beads凝集アッセイ系を新たに立ち上げるため様々なBeads購入。ゴルジ体膜精製のためのラット購入。その他、生化学実験や分子生物学実験に必要な試薬や消耗品に使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] p55 is a novel essential factor for p97ATPase-mediated membrane fusion in the Golgi.2013

    • Author(s)
      Yayoi Kaneko, Go totsukawa, Hisao Kondo
    • Organizer
      分子生物学会
    • Place of Presentation
      神戸ポートアイランド
    • Year and Date
      20131203-20131206

URL: 

Published: 2015-05-28  

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