2015 Fiscal Year Annual Research Report
オーキシン排出トランスポーターPINの偏在化制御機構解明へ向けた多角的アプローチ
Project/Area Number |
25840101
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
楢本 悟史 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (30612022)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オーキシン / 極性輸送 / PIN / VAN3 / GNOM |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに,植物細胞において偏在して局在(以下,極性局在)するオーキシン排出トランスポーターPINに注目し,植物細胞の極性形成機構の解析を行っている.昨年度までに,PINタンパク質は細胞膜中において,局所的にクラスター様の構造を形成することを見出している.また,オーキシンの極性輸送は葉脈パターン形成に重要な役割を果たすことが知られていることから,細胞極性の形成の機構解明に向け,葉脈パターンが異常となるvan変異体の機能解析を行っている.本年度は細胞極性の形成機構の解明に向け,1)PIN2クラスターの形成複合体の単離・同定,2)新規細胞極性制御因子の単離を行った.1)については,昨年度の解析により複数の遺伝子の候補が得られていたが,それらの突然変異体では,オーキシンの極性輸送と関連する表現型は見られなかった.遺伝子間の冗長性により表現型が観察されない可能性があることから,現在,これらの遺伝子について多重変異体の作成を行っている.2)では,葉脈が異常となるvan変異体の原因遺伝子の同定に向け,次世代シーケンス解析を行った.van2, van5, van6において解析を行ったところ,van2, van6に関しては新規極性制御因子をコードする可能性が示唆された.現在,こられの遺伝子の突然変異体との表現型の類似性を解析している.van5に関しては,脂質の生合成遺伝子に変異が生じていることが明らかになり,現在,その遺伝子との相補性テストを行っている.
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