2014 Fiscal Year Annual Research Report
アブシジン酸応答を負に制御する新規リン酸化タンパク質SNS1の機能解析
Project/Area Number |
25840103
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
梅澤 泰史 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70342756)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アブシシン酸 / シロイヌナズナ / リン酸化 / SnRK2 / プロテオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
アブシシン酸(ABA)は植物の環境応答の要となる植物ホルモンであり、そのシグナル伝達系においてSnRK2プロテインキナーゼが中心的な役割を果たしている。近年、我々はSnRK2によるシグナル伝達制御をさらに解析するために、リン酸化プロテオーム解析によるSnRK2の基質探索を行い、複数の基質候補を得ることに成功した。SnRK2-substrate 1(SNS1)は、基質候補の一つであり、植物体中でSnRK2によってリン酸化されること、およびSNS1遺伝子破壊株(sns1-1)が発芽時においてABA高感受性を示すことなどが明らかとなった。したがって、SNS1はABAシグナルの負の制御因子であることが示唆された。 本研究課題では、SNS1が関与するABAシグナル伝達機構を明らかにすることを目的として、SNS1の機能解析を進めた。まず、sns1-1変異体の表現型をさらに詳細に解析したところ、SNS1は発芽時だけではなく、植物体においてもABAシグナルに関与していることがわかった。たとえば、sns1-1の乾燥耐性は野生型に比べて有意に上昇しており、また開花時期が遅くなる傾向が認められた。さらに、次世代シーケンサーを用いてシロイヌナズナ野生型とsns1-1変異体のトランスクリプトーム解析を行ったところ、既知のABA応答性遺伝子の他に開花関連遺伝子の発現も変化していることが明らかとなった。以上のことから、SNS1はSnRK2によるリン酸化調節を受けるABAシグナルの負の制御因子であるとともに、開花調節にも関わっていることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] PHOSPHOPROTEOMIC APPROACHES TOWARD UNDERSTANDING THE ABA SIGNALING NETWORK IN LAND PLANTS2014
Author(s)
Yoshimasa Honda, Naoyuki Sugiyama, Mayuri Kuwamura, Ryosuke Terao, Kozue Ishizuka, Yoichi Sakata, Daisuke Takezawa, Kazuo Shinozaki, Yasushi Ishihama, Taishi Umezawa
Organizer
The 6th International Symposium on Frontiers in Agricultural Proteome Research, the 1st AOAPO conference, & the 5th Plant Proteomics Conference in China
Place of Presentation
ハルビン(中国)
Year and Date
2014-06-25
Invited