2013 Fiscal Year Research-status Report
タキキニンで誘導されるプロスタグランジンによるマウス初期卵胞成長機構の解明
Project/Area Number |
25840117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
青山 雅人 奈良女子大学, 理学部, 非常勤研究員 (60634813)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マウス / 卵胞成長 / タキキニン / プロスタグランジン |
Research Abstract |
(1)2週齢マウス卵巣内におけるCOX-2の局在解析:マウスのタキキニン(TK) 受容体であるNK-1,-2,-3のアゴニストを卵巣組織へ投与するとCOX-2遺伝子の発現が上昇する。そこで受給者らは、卵巣組織内におけるCOX-2の作用部位を特定するため、免疫染色によりCOX-2の局在解析を行ったところ、COX-2は二次卵胞の顆粒膜細胞において強く発現していること、およびCOX-2とNK-1,-2,-3との二重免疫染色の結果から、両者はほぼ完全に共局在していることが明らかになった。 (2)COX-2阻害剤が2週齢マウスの卵胞成長に与える影響の解析:三次元培養法を用いてマウス二次卵胞にCOX-2阻害剤であるCelecoxibおよびNS-398を投与し、その影響を観察した。その結果、卵胞の成長は著しく阻害された。またCOX-1の阻害剤であるOxaprozinに卵胞成長阻害活性はなかった。 (3)2週齢マウス卵巣におけるプロスタグランジン(PG)G2/PGH2の下流のPG受容体サブタイプの種類を特定:(1)、(2)の結果、マウスの卵胞成長に重要な役割を果たすことが明らかになったCOX-2は、アラキドン酸からPGG2/PGH2を生合成し、さらにPGH2から各組織特異的なPGサブタイプ合成酵素が5種類のPGサブタイプを生合成する。マウスには8種類のPG受容体サブタイプが存在するが、2週齢マウスにおける卵巣での発現プロファイルは不明である。そこで受給者らは、RT-PCR法によりPG合成酵素や受容体サブタイプの遺伝子発現解析を行った。その結果、2週齢マウスPGE2,PGF2α,PGI2の合成酵素遺伝子、およびPGE受容体であるEP2,EP4とPGF受容体であるFP遺伝子の発現が明らかになった。また、(3)で発現が明らかになった各PG受容体アンタゴニスト投与時などのマイクロアレイ解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画は全て予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、平成26年度では以下の実験を行う。 (1)2週齢マウス卵巣内におけるPGサブタイプの定量、PG受容体サブタイプの局在解析 研究実績の概要(3)で発現が明らかになった2週齢マウス卵巣内におけるPGサブタイプの定量をELISA法で、PG受容体サブタイプの局在解析を免疫染色で行う。 (2)各PG受容体サブタイプの作用解析 各PG受容体サブタイプの作用解析を三次元培養法により行う。もし、三次元培養法による形態観察で顕著な変化が見られなかった場合はCell culture insertを用いた器官培養系での卵巣組織のBrdU取り込みによる細胞増殖活性測定や、発現部位が明らかで、かつ、その部位が分離法の確立されている卵胞構成細胞(顆粒膜細胞や間質細胞など)であるならば、卵胞構成細胞の初代培養系を用いた増殖活性測定実験の実施なども考慮する。
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Research Products
(2 results)