2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25840129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
手島 康介 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20447593)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 集団史推定 / 次世代シークエンサー |
Research Abstract |
第二世代シークエンサーを用いて得られた集団ゲノムデータが入手可能になったため、交付申請書に記載の研究計画とは順序を変更し、まずはデータ解析のためのパイプライン作成を行なった。参照配列が入手困難あるいは信頼性が低い種を念頭においているため、既存の変異抽出ルーチンよりも、マッピングおよび変異抽出プロセスを丁寧に検討した。現時点で入手可能なデータはFLXで解析されたデータであり、FLX独自のエラーの傾向を考慮してエラーを除去するアルゴリズムも検討した。結果として現在までに大量データから、各サンプルごとの、対象領域ごとの配列を再構築するパイプラインの概形がおおむね出来上がった。残りは各種統計量やスペクトラム解析用のルーチン、および本パイプラインにより構築された塩基配列のエラー率の確認である。 また、第一世代シークエンサーを用いた別種のデータの解析に関わり、集団サイズの推定、分岐時間の推定等を行なった。 さらに、集団構造推定の解析的研究に先立ち、サンプリングプロセスやタイピングプロセスに内在するバイアスの影響について考察を行なった。これは研究対象とするサンプル集団や配列解析領域、あるいは対象とする変異サイトを選択するという作業そのものが、偏りを生じうるという問題である。シミュレーションベースの研究を行い、既存の変異をタイピングによって検出する場合は、確かにバイアスが生じることを確認した。引き続き、集団構造がある場合のサンプル集団の選び方の影響等を確認中である。この研究によって、バイアスが生まれる状況の確認、影響の大きさの確認を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の順序を変更したことにより、当初計画していた計画とは異なる。例えばデータ解析については進んでいるが、集団史解析プログラムの作成が遅れている。複数のプロジェクト間では重複する部分もあるので効率よく進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
データ解析のパートについては、各種等計量やスペクトルの計算から集団史推定までの部分を完成させる。同時に、kABC解析を実装した解析プログラムにも着手し、研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定ではワークステーションを購入予定であった。消耗品の入れ替えによって既存の機器をアップグレードすることが出来たため、当年度では小回りのきくノート型の計算機を購入し、次年度により充実した計算機環境を構築する方がプロジェクトとして望ましいと判断した。 スペックを充実させたワークステーションを購入する。さらに数学計算アプリケーションであるmathematicaの購入に充てる。
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