2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25840129
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
手島 康介 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20447593)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 集団史推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
非モデル生物のゲノム多様性情報を解析する際に、第二世代シークエンサーのデータを既存の解析パイプラインをそのままあてはめて使うことは難しい。信頼できる参照配列の欠如が最大の原因である。解析対象領域の配列を一個体分だけ一度サンガーシークエンサーを用いて決定し、そこに集団のデータをマッピングすることによって多様性データを取得する方法と、第二世代データから直接多様性データを取得する方法について、その精度の検討と解析パイプライン構築を行なった。多様性データの精度に関してはマッピング法のほうが信頼できることを確認した。しかし第二世代データのde novoアセンブルもデータの厚みが充分であれば可能性があることもわかった。今回用いたデータはFLXのデータであり、厚みが不足していたため、マッピングからの解析を進める。 集団構造やサイズの変化(以下集団史とする)の推定に関して、頻度分布をはじめとする各種要約等計量を用いて集団史モデルをある程度判別できることを確認した。他方で判別のつきにくいモデルの組み合わせや、必ずしも候補モデルを一意に決定できないことも明らかとなった。現在この研究に関して結果をまとめている。 さらに集団史推定に用いるべきデータが満たすべき条件について、データ量(領域数や配列長)およびマーカータイプ(配列データとタイピングデータ)と推定精度の関係に着目しシミュレーションを行なった。この研究は現在継続して進行中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
参照配列のない非モデル生物のゲノムデータ解析に時間がかかったため、シミュレーションベースの研究が当初予定よりも遅れている。集団史推定に用いるべきデータが満たすべき条件についての研究は、着手したばかりであり、今後重点的に進めたい
|
Strategy for Future Research Activity |
集団史推定に先んじて行なうモデル判別の研究は現在論文作成中である。集団史推定に用いるべきデータが満たすべき条件はシミュレーション量が問題となるため、重点的に計算機リソースを割り当てて進めたい。これらの理論研究と、これまで進めてきた次世代データの解析に応用する。
|