2013 Fiscal Year Research-status Report
サケは精子を節約するのか?‐行動・分子生物学的手法による精子節約の適応意義解明‐
Project/Area Number |
25840163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
牧口 祐也 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (00584153)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 一回繁殖型魚類 / 精子の節約 / 配偶者選択 |
Research Abstract |
雄が雌へ提供する精子量を節約することで精子を効率的に使用するという現象の解明は、雄による雌の選り好みという性淘汰研究における重要なテーマである。シロザケは産卵のため河川に遡上すると摂餌を止め、体内に蓄えられたエネルギーだけで産卵しその一生を終える。本研究では繁殖後に死亡するシロザケにおいて雄が雌に提供する精子量を調節する現象を実証し、その生態学的な適応意義を解明することを目的とした。 放精時の体側筋の収縮により生じる振動を装着した小型加速度計で記録し、放精量の指標として2つの実験を行った。1)振動時間と放精量の相関の検証、2)雌の大きさが放精量に与える影響について、標津川河口で捕獲されたシロザケを用いて実験を行った。放精量はシロザケの排精腔にゴム製の袋を装着して採取し、吸光度計(波長410 nm)を用いて定量した。放精の振動時間と量には正の相関性がみられた。また、振動時間は雄に対する雌の体長の割合と正の相関性がみられた。つまりシロザケの雄は大きな雌に対してより多く放精していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・産卵中のシロザケから直接精子を採取する方法を確立した。 ・本研究計画で提唱していたシロザケの精子の節約を実証した。 ・国内・国際学会でそれぞれ1回ずつ発表を行った。また、国際学会で発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
・今後、分子生物的手法を用いて父性判定を行い、本州の繁殖成功について詳細に解析する予定である。 ・これまで使用していたデータロガーよりもさらに長期間記録が可能なタイプのデータロガーを開発し、複数の個体間が存在する状況でデータを取得する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画していた、長期記録可能なデータロガーが見積もり額よりも安く購入することができたため。 実験の過程で、データロガーの紛失してしまったため(実験魚が増水により逃げ出してしまった)、追加でデータロガーを購入する予定である。新たな加速度データロガー購入のために消耗品費として500千円程度を予定している。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Sperm economy in relation to paired female size in semelparous salmonid species2014
Author(s)
Makiguchi, Y.Ichimura, M., Kitayama, T., Nemoto, T. Kawabata, Y., Kitagawa, T., Kojima, T.
Organizer
The 2nd Design Symposium on Conservation of Ecosystem(SEASTAR2000)
Place of Presentation
京都大学
Year and Date
20140318-20140319
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