2014 Fiscal Year Annual Research Report
バラ科サクラ属における自家不和合性ジェネラルインヒビター候補の機能解析
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25850019
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松本 大生 山形大学, 農学部, 助教 (30632129)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | サクラ属 / 自家不和合性 / S-RNase / SLFL / 果樹 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題ではその存在が想定されているサクラ属S-RNase解毒因子(ジェネラルインヒビター,GI)の同定をめざし、GI候補とされるPavSLFL1,PavSLFL2, PavSLFL3の生化学的特性の調査を進めている。最終年度であるH26年度には当初計画に則り下記調査を実施した。 (a)SCF複合体形成能調査:プルダウンアッセイにより、PavSLFLsはPavSSK1およびPavCul1AまたはPavCul1Bを構成要素とするSCF複合体形成能、およびPavSBP1を介したnon-SCF複合体形成能を有することが認められた。 複合体構成要素の花粉内発現量の比較によって、PavSLFLsはPavSSK1およびPavCul1Aを構成要素とするSCF複合体を形成することが示唆された。 (b)S-RNase結合能調査:組換えPavSLFL1と組換えPavSLFL2についてはPavS-RNase結合能が認められたものの、組換えPavSLFL3については結合能を確認できなかった。 (c)S-RNaseのユビキチン化能調査:PavSLFL1およびPavSLFL2を一過的に発現させたタバコ葉粗抽出物を用いてPavS-RNaseのsemi-in vitroユビキチン化試験を試みたが、SLFLによるS-RNaseのユビキチン化は観察されなかった。 以上、いくつかのSLFLについてGIに期待される特性が一部確認されたことから、SLFLsはGI候補として有力であることが示された。今後GI同定に向けた更なる機能調査が必要なものと考えられる。
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Research Products
(2 results)