2015 Fiscal Year Research-status Report
花弁の色と質感を決定する花弁表皮細胞形態制御機構の解明
Project/Area Number |
25850021
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
鳴海 貴子 香川大学, 農学部, 准教授 (30469829)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | トレニア / 花弁表皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
無菌培養で維持していた形質転換植物体での解析が困難であったため、今年度はin situハイブリダイゼーションによる遺伝子発現部位の特定を試みた。TfMYBML1、TfMYBML2およびTfMYBML3の発現部位を明らかにするため、遺伝子発現解析において最も遺伝子発現量が多かったガク開裂前の花弁を用いて解析を行った。向軸側花弁および背軸側花弁に着目して解析を行ったところ、TfMYBML1とTfMYBML2に関しては薄く花弁全体で発現している傾向が認められ、背軸側花弁に存在するブロッチ部では発現がほとんど検出されなかった。一方で、TfMYBML3に関しては花弁全体でTfMYBML1とTfMYBML2と同様に薄く花弁全体で発現している傾向が認められ、特にブロッチ部で濃く検出されたことから、TfMYBML3はブロッチ部で主に発現していることが明らかになった。以前作出したCaMV35S::TfMYBML3-SRDX個体の花弁では、唇弁部の部分的な白色化およびブロッチ部の白色化が認められており、SEMを用いた花弁表皮細胞の形態観察により、白色部は平面状細胞を形成しいていることが観察されている。これまでの結果と総合すると、TfMYBML3はブロッチ部の細胞の形態形成に関与している主因子であることが考えられる。一方で、TfMYBML1とTfMYBML2に関しては花弁表皮細胞の形態を制御する主因子ではないことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
育児休業後に復帰した時に、復帰前に作出していた形質転換体が廃棄されており、当該年度に予定していた実験ができなかった。さらに、インキュベーターの故障による遺伝子導入に用いる無菌培養植物の死滅などにより、野生型の無菌化からやり直したため、実験が遅れている。ようやく形質転換作出ができる環境が整ったので、プロモーターGUS形質転換体の作出を再開する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
プロモーターGUS形質転換体の作出を行い、解析個体の選抜を行う。また、TfMYBML1~TfMYBML3の発現部位のさらなる特定のために、花弁発達過程における発現解析をin situ ハイブリダイゼーションにより行う。
|
Causes of Carryover |
産前産後の休暇又は育児休業による中断により、研究が2年延びたことから、それに合わせて研究費を使用しているため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験に使用する試薬類や論文作成などに使用する予定である
|