2014 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNAによるエチレン非依存性花きの老化制御機構の解明
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25850026
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
渋谷 健市 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所花き研究領域, 主任研究員 (10462532)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アサガオ / 花弁老化 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
エチレンの花弁老化における関与が小さいエチレン非依存性花きでは、有効な品質保持技術が開発されておらず、花弁老化の制御機構の解明が求められてる。申請者はこれまでに、エチレン非依存的老化を示すアサガオ「紫」において、花弁の老化時にマイクロRNAの一種であるmiR156ホモログの蓄積量が急激に増加することを見出している。本研究では、miR156を介した花弁老化における遺伝子制御ネットワークを明らかにすることを目的とする。 本年度は、アサガオから単離したmiR156の推定標的遺伝子であるInSPL1とInSPL2に関し、miR156の認識配列を同義置換することにより、miR156の分解を受けないがアミノ酸配列は変化しないmiR156耐性InSPL(rInSPL1とrInSPL2)コンストラクトをアサガオに導入し、形質転換体を作出した。rInSPL1およびrInSPL2形質転換当代では、野生型と比較し、花弁の老化の進行に明らかな変化は認められなかった。また、その他の形態的な変化も観察されなかった。アサガオは短日植物であるため、通常、長日条件下で栽培した後、短日条件にすることで花芽形成が誘導される。rInSPL1およびrInSPL2形質転換体は、長日条件下で栽培中に花芽を形成する現象が観察された。現在、rInSPL1およびrInSPL2形質転換のT1世代植物体において日長と花芽形成誘導との関連を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
miR156の認識配列を同義置換したrInSPL1およびrInSPL2形質転換体が得られており、形質転換体の解析を進めていることから、計画はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究計画に従い、現在作製中の形質転換アサガオに関する解析を進める。また、InSPL1およびrInSPL2形質転換体において、花成反応に変化が認められたことから、InSPLと花成反応との関連についても同時に解析を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、研究を効率的に進めた結果、主に人件費と旅費を圧縮できたために生じた残額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は、交付申請時の計画通り使用する。まお、次年度使用額494,678円は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。
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