2014 Fiscal Year Research-status Report
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25850031
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
松下 陽介 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所花き研究領域, 主任研究員 (00414665)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ウイロイド / 種子伝染 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度において、ペチュニアにおいて種子伝染が確認されているPSTVd(じゃがいもやせいもウイロイド)と種子伝染が確認されていないTCDVd(トマト退緑黄化ウイロイド)のゲノムの異なる塩基配列の部位を組換えたウイロイドについて種子伝染を調査し、感染率が異なったため、in situ hybridizationにおいて開花時の胚珠等におけるウイロイドの分布を確認した。しかしながら、再度、種子伝染率を調査したところ、伝染が確認されなかった変異体ウイロイドにおいても感染が確認されたため、再度、伝染率について考察する必要が出てきた。また、種子伝染しない要因については、これまで、胎座と胚珠の間でウイロイドの侵入が停止しているという前提でこれまで試験を実施してきたが、実際に種子伝染しない要因について再度検証する必要が発生した。 そのため、種子伝染が確認されていないTCDVdのペチュニアにおけるウイロイドの感染分布について種子発達過程におけるウイロイドの分布をin situ hybridizationに明らかにするために、感染個体の作出を試みた。その結果、TCDVdが種子伝染しない要因は胎座と胚珠の間でウイロイドの侵入が停止しているのではなく、TCDVdは胚珠内には侵入し、その後、TCDVdが消失するということが明らかとなった。したがって、上記の組換えウイロイドにおいても、開花期における胚珠等の分布のみを確認するだけでなく、その後のTCDVdのシグナルの消失または維持を明確にする必要があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想とは異なる結果(非伝染のメカニズム)が得られたことから、再度試験方法について検証する必要がある。ただし、ウイロイドの非種子伝染のメカニズムについてはこれまで不明であり、初めての知見であることから、当初の計画よりも興味深い成果が得られると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の試験結果を受けて、ウイロイドの非種子伝染のメカニズムについてデータをまとめて論文化する。また実験としては、サイレンシグにかかわる変異体タバコ等を用いて、種子伝染に与える影響について試験する予定。
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Causes of Carryover |
研究費を効率的に使用して発注した残額であるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験遂行に必要な試薬の購入にあてる予定。
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