2014 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子タギング変異株の解析による微細藻類の脂質蓄積制御因子の探索と利用
Project/Area Number |
25850068
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梶川 昌孝 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (40594437)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 植物生理学 / 植物分子生物学 / 藻類分子育種 / 環境応答 / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
微細藻は窒素欠乏下で中性脂質(TAG)を蓄積するがその制御機構については未解明である。我々は、TAG低蓄積変異体tar1-1を単離し、TAG蓄積制御因子としてDual-specificity型タンパク質リン酸化酵素をコードするTAG accumulation regulator1(TAR1)遺伝子を見出した。tar1-1は窒素欠乏2日目でTAG蓄積量が野生型の20%に低下した。野生型では窒素欠乏時に光合成活性、クロロフィル量が低下するが、tar1-1ではこれらが野生型より高く維持され、細胞分裂が完全に停止し、細胞肥大が認められた。また、TAG合成酵素(PDAT1)遺伝子やアンモニウムイオン輸送体(AMT4)遺伝子、グルタミン合成酵素(GLN1、GLN3)遺伝子などの窒素欠乏応答性遺伝子の発現誘導レベルが低下していた。変異原因遺伝子がコードするタンパク質TAR1は、酵母のグルコース欠乏応答に必要なタンパク質リン酸化酵素Yak1と相同性を示し、in vitroでカゼインおよびミエリン塩基性タンパク質に対してリン酸化活性を示した。また自己リン酸化活性も認められた。TAR1遺伝子の発現は窒素欠乏の前後で変化しなかった。以上の結果から、TAR1は窒素欠乏時に、タンパク質のリン酸化状態を変化させ、遺伝子発現を介してTAG蓄積・光合成・細胞分裂・細胞サイズの制御を行っていると推定される。
|
Research Products
(9 results)
-
-
[Journal Article] Arachidonic acid-dependent carbon-eight volatile synthesis from wounded liverwort (Marchantia polymorpha)2014
Author(s)
Hirotomo Kihara, Maya Tanaka, Katsuyuki T. Yamato, Akira Horibata, Atsushi Yamada, Sayaka Kita, Kimitsune Ishizaki, Masataka Kajikawa, Hideya Fukuzawa, Takayuki Kohchi, Yoshihiko Akakabe, Kenji Matsui
-
Journal Title
Phytochemistry
Volume: 107
Pages: 42-49
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-
-
-
-
-
-