2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25850074
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
黒木 勝久 宮崎大学, 農学部, 助教 (20647036)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プロスタグランジン / 硫酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
硫酸化は、ステロイドや甲状腺ホルモンなどの生体制御分子の代謝および活性調節を担っている。申請者は、近年、新たな硫酸化の標的分子として、シクロペンテノン型プロスタグランジンを見出した。そこで本研究計画では、プロスタグランジン硫酸化の機能解明の一端として、プロスタグランジン硫酸体の調製法確立(I)、構造決定 (II)、そして、受容体探索 (III)の3点に焦点を当て、研究を実施した。 25年度に、リコンビナント精製硫酸転移酵素を用いた酵素反応により硫酸体を産生し、固相抽出およびHPLCによる単離精製を行うことで、プロスタグランジン硫酸体の調製法を確立した。調製した硫酸体を質量分析計で解析した結果、硫酸基の付加は確認されたがその構造決定までには至らなかったため、26年度には、硫酸体をさらに大量調製しNMR解析による構造決定を試みた。その結果、a,b-不飽和カルボニルにスルホン基が付加されている構造であることが判明した。 また、26年度には、25・26年度に掛け作製した11種類のプロスタグランジン受容体の発現系を用いて、各種プロスタグランジン受容体に対するアゴニスト・アンタゴニスト活性をcAMPおよびカルシウムイオン濃度変化を指標に測定した。その結果、ある特定のプロスタグランジン受容体に対するアゴニスト活性およびアンタゴニスト活性を確認することが出来た。さらに、26年度には、ビオチン結合型のプロスタグランジン硫酸体を作成し、HRP標識アビジンンを用いて結合タンパク質の検出をウエスタンブロッテングにて試みた。その結果、プロスタグランジンとは異なるバンドパターンを得ることができ、特異的結合タンパク質の存在が示された。 以上のことから、本研究により、プロスタグランジン硫酸体の構造決定並びにプロスタグランジン受容体に対する作用を明らかにすることが出来た。
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Research Products
(2 results)