2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development and its application of biological measurement of dioxins in the farm and marine products
Project/Area Number |
25850091
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福田 伊津子 神戸大学, 農学研究科, 助教 (50418943)
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Project Period (FY) |
2014-02-01 – 2018-03-31
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Keywords | ダイオキシン類 / 農水産物 / 簡易測定法 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境汚染物質であるダイオキシン類の我が国での排出量および食品への汚染量は減少傾向にあるものの、我が国の食品の6割程度を輸入に依存していること等から、ダイオキシン類による健康影響への懸念は未だ払拭されていない。そこで本研究では、高分解能GC-MSを用いた公定法と、市場で従来使用される簡易測定法であるレポータージーンアッセイ、並びに申請者らが開発した簡易測定法ELISAの改良法を用いて輸入および国産食品中に含まれるダイオキシン類を定量して比較するとともに、方法の違いによるデータの相関性およびELISAの改良法の適用について検討することを目的とした。 まず、申請者らが開発した簡易測定法ELISAの改良を目指して、ダイオキシン受容体の資材としてモルモット、ラット、並びにマウス肝臓より細胞質画分を調製し、その応答性について確認した。その結果、マウス肝臓細胞質画分では応答性が低かったため、生体試料としてはラットおよびモルモット肝臓細胞質画分が適していることが示唆された。また、生体試料に限らず、昆虫細胞を用いたダイオキシン受容体およびパートナータンパク質の発現系構築を目指したが、研究期間中には構築に至らなかった。 一方、市販のエビ3検体(外国産2検体および国内産1検体)を購入し、公定法によるダイオキシン類の分析を行ったところ、外国産2検体のうち1つは総ダイオキシン類が0.0066 pg-TEQ/g、もう1つは0.00030 pg-TEQ/g、国内産は0.00011 pg-TEQ/gであった。外国産のうち1検体は、他の2検体と比較しておよそ10倍の総ダイオキシン類が検出された。 今後の研究展開としては実験室ではなく、マーケットや加工段階での簡易測定法の開発が望ましいと考えられる。
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