2014 Fiscal Year Research-status Report
熱帯林おける土壌動物に起因する土壌呼吸の変動パターンを評価・予測するモデルの構築
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25850104
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 明徳 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (40378774)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 気候変動 / 二酸化炭素 / 土壌動物 / 土壌呼吸 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014度は、9月(雨季)と3月(乾季-暑気)に現地調査を行った。現地調査では、スラナリ工科大学の大学院生、カセサート大学の大学院生等の協力が得られた。 調査対象とするシロアリ・アリ種の分布様式を考慮し、調査地の森林内に1haの調査プロットを5箇所設置した。これらの調査プロット内の各種シロアリ巣の密度を調査し、実際に測定対象とする巣を選定した。調査プロット内では、100個のサブプロットを設け、土壌呼吸量を測定するとともに、選定した巣についても呼吸量調査を行った。また、オオキノコシロアリについては、調査プロット外で測定対象とする巣を選定し、呼吸量測定を行った。 結果、同一森林内でも土壌呼吸量に大きなばらつきがあることが明らかになりつつある。今後はこの変動要因について、シロアリ・アリを含む土壌動物の影響、物理的な環境要因の影響等について精査していく。また、シロアリ・アリなどが土壌呼吸に与える影響についても、周辺土壌呼吸との比較から定量的なデータが取得されつつある。 熱帯林では土壌呼吸が二酸化炭素収支の主要な経路であるが、その変動要因、特に生物学的な変動要因はよくわかっていないのが現状である。また、熱帯林を含む森林生態系は気候変動の一因である大気中の二酸化炭素濃度に強く影響しており、二酸化炭素収支の正確な推定が喫緊の課題となっている。本研究で得られつつある知見から、森林土壌呼吸に帯する土壌動物による影響が明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2014年3月の現地調査では、測定機器が故障し日本へ持ち帰って修理せざるを得なくなっため、予定していた乾季のデータが十分に取得できてない。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年は、予定通りデータを取得するとともに、2014年3月分について、やや時期がずれてしまうが2015年5月頃に現地協力者が追加でデータを取得する予定である。
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Causes of Carryover |
航空券価格や物品価格の変動等により差額が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査用物品、データ解析用物品などに使用する。
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Research Products
(3 results)