2013 Fiscal Year Research-status Report
森林の下層植生が物質循環に与える影響と土壌動物群集による土壌機能評価法の開発
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25850111
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Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
菱 拓雄 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50423009)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 下層植生刈り取り / 窒素循環 / 森林生態系 / 土壌動物群集 / 指標生物 |
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| Research Abstract |
本研究は下層植生の除去により，下層植生の植物ー土壌特性への寄与を定量化し、これらの変化が土壌動物群集にどのように影響するのかを解析することによって，森林土壌の機能を土壌動物群集によって評価する方法を開発することにある．
本年度は，5月より試験区設置を行った．対象研究地となる九州大学北海道演習林内のカラマツ人工林およびミズナラの優占する二次林それぞれ５箇所ずつ実験区を設定した．実験処理区では樹高2m以下の10m四方のササを刈り取った．対照区はそれぞれのササ刈り取り区と10m程度離した隣接地に設定した．それぞれの試験区では下層植生の現存量および窒素含有量を測定した．処理区，対照区双方で林分現存量，有機物堆積量，表層土壌の炭素，窒素蓄積量，無機態窒素現存量の初期値を測定し，実験前の試験地間で有意に違わないことを確認した．この後，5月より継続的にササの刈り取りを行った．
刈り取り処理の後，実験区，対照区にて土壌40cmにイオン交換樹脂を設置し，養分流出量を測定している．また，土壌の窒素無機化速度をバリードバック法で測定している．また，リターフォール量および窒素含有量を測定している．25年度の結果からは，7-30kgN/haの窒素が下層刈り取りの形で系外に取り出されたが，窒素の無機化速度や土壌下部からの窒素流出の増加は認められなかった．
以上のように，今年度は試験区の設定と初期観測の立ち上げを行った．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である今年度は野外実験の開始と，実験処理の継続の可否を判断することにあった．実験は滞りなく開始された．初期状態の土壌特性，林分の特徴の記述をし，試験地の妥当性を確認した．観測は予定通り開始した．
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| Strategy for Future Research Activity |
初年度の成長期における実験結果では，下層植生に奪われた養分が流亡していないことから，上層木による養分吸収が増加している可能性がある．下層植生が上層木に対して養分競争力を有しているか否かによって土壌形成過程に大きな変化が生じてくるだろう．今後上層木のリターフォール窒素含量の観測が重要である．
養分の競争に関しては，根量の増減が左右していると考えられる．したがって次年度は地下部器官の観測を加える．
また，休眠期に関してはまだ結果が得られていない．本研究では，開葉前，冬期から春先にかけての無機態窒素の流亡が下層植生の消失によって促進されるだろうと予測している．従って26年度，27年度の春の窒素流亡の観測が重要となる．また，年度を重ねるにつれ，下層植生からのリター供給の積算量が大きくなると考えられるので，土壌の炭素，窒素蓄積量の観測を継続する．
土壌環境条件の違いを明らかにした上で25年度より土壌動物群集の違いについての観測を開始する．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
観測に必要な機器を安価に購入できたため，
26年度に重要な観測が控えているため，これにあてる．また，継続的な野外実験処理のための人件費として使用する．
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