2014 Fiscal Year Annual Research Report
モノコンポーネントセルラーゼによるイオン液体処理セルロースの酵素分解性評価
Project/Area Number |
25850122
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
水野 正浩 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (60432168)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セルラーゼ / イオン液体 / 再生セルロース |
Outline of Annual Research Achievements |
微結晶性セルロースを、3種類の異なるイオン液体([Emim][OAc]、[Emim][DEP]、[N221ME][Ala])を用いて溶解させた後、脱イオン水による再析出を行うことで得られた再生セルロースの酵素分解性を評価した。昨年度に引き続き、白色腐朽菌Irpex lacteus由来のセロビオヒドロラーゼI、セロビオヒドロラーゼII、エンドグルカナーゼを用いて試験を行ったが、今年度は反応系内にβ-グルコシダーゼを添加し、グルコースにまで分解させることでセルラーゼの生成物阻害を解除させた条件で条件検討を行った。3種類の酵素を複合させて分解試験を行った結果では、[Emim][OAc]及び[Emim][DEP]処理再生セルロースでは、酵素を単独で作用させた場合よりも相乗効果が認められ、反応開始48時間までに分解率がほぼ100%になったのに対し、[N221ME][Ala]処理再生セルロースでは、セロビオヒドロラーゼII単独で作用させた場合と変化がなかった。 また、不完全性子嚢菌Pestalotiopsis sp. AN-7由来のエンドグルカナーゼを用いた再生セルロースの分解試験を行い、I. lacteusのエンドグルカナーゼとの比較を行った。両エンドグルカナーゼ共にいずれのイオン液体処理再生セルロースに対する分解特性は変化しなかったが、タンパク質濃度を揃えた場合では、I. lacteusの方が2倍高い活性を示した。 更に、イオン液体に溶解したセルロースの再生に用いる溶媒の種類を検討し、再生セルロースの構造をXRDにて分析した。アルコール類及びアセトニトリル、クロロホルムでは、再生セルロースが得られたが、アセトニトリルで得られた再生セルロースはよりアモルファスなピークを示した。一方、DMSO及びアセトンではセルロースは析出しなかった。
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