2014 Fiscal Year Research-status Report
フードシステムにおける垂直的・空間的競争に関する産業組織論的研究
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25850149
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 亨 東京大学, 農学生命科学研究科, 特任助教 (60641553)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フードシステム / 不完全競争 / 空間競争 / 空間計量分析 / マイクロデータ / 食品産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はフードシステムにおける垂直的・空間的競争に関して産業組織論の分析枠組を用い分析を行うことを課題とし、海外における原料調達から国内の食品消費に至るフードシステムにおける競争環境や価格伝達構造を明らかにし、外生的ショックが各流通主体に与える影響を数量的に示すことを目的としている。その際、マイクロデータを用いた不完全競争の実証分析、空間的競争を踏まえた不完全競争の実証分析、双方寡占における不完全競争モデルの確立とそれを用いた実証分析、不完全競争を考慮したフードシステムにおける価格伝達構造のシミュレーション分析を小課題として設定し、この目的にアプローチすることとした。 マイクロデータを用いた分析では、日本の食品産業や小売産業を対象とし、企業レベル、ブランドレベルの需要構造および不完全競争を明らかにするため、必要なデータの収集を行った。食品産業を対象としたマイクロデータとしては、主に工業統計調査のデータを用い、品目分類レベルの小産業ごとの市場構造分析を行った。また、ブランドレベルの分析としてビール類の購買データを整備し、それを用いてブランド間の代替関係やブランドレベルのマークアップを明らかにすることが可能なランダム係数モデルを推計した。 空間的競争の分析では、実証分析に必要なデータの入手を完了するとともに、空間的市場構造を把握するためのデータの整理を推進した。一方で、空間的競争を定量的に明らかにする実証モデルの研究も行い、今後の実証分析に対応可能なモデルの改良について検討した。 双方寡占およびフードシステムに関する分析では、それぞれ海外、国内の研究者との共同研究により、実証分析に向けたモデルの改良について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各小課題の研究計画に沿って研究を実施し、一定の成果が得られており、全体としても計画通りに進展していると判断されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、各小課題に設定された計画を実施する。
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Causes of Carryover |
データの購入費用や旅費が当初の見積もりより安価に抑えられたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画に差し支えない範囲で新たなデータの購入を行い、より幅広い分析を行う。
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Research Products
(10 results)