2013 Fiscal Year Research-status Report
遺伝的アルゴリズムを用いた農商工連携関係構築モデルの策定
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25850157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
大西 千絵 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター 作物開発・利用研究領域, 主任研究員 (60466638)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / ネットワーク分析 / 農商工連携 / イノベーション |
Research Abstract |
これまでの申請者の研究・調査から、農商工連携関係を構築するメンバー構成の変化が、農商工連携・地域ブランド化においてイノベーションをもたらしていることが分かった。このことは、まるで遺伝子の突然変異が生命に進化をもたらすのに似ていると考えた。そこで、本研究では、ネットワーク分析に遺伝的アルゴリズム(GA)を取り入れたシミュレーションを行い、それをもとに農商工連携関係構築モデルの策定を目指す。そこで、熊本県JAあしきたの農商工連携による商品開発と、フランス・コロブリエール村の地域ブランド化の取組みを事例に調査・分析を行い、シミュレーション・モデルの策定を行った。 本年度は、(1)まず、事例における商品開発・地域ブランド化の取組みについて、時系列でその変化を整理した。どちらの事例においても、ネットワーク中の各ノードは、初期ネットワークにおいて最もリンクの多いノードA と結びついており、革新者であるノードB の発生に伴い、Bとの間にもリンクを形成していた。さらに、ノードAとノードBが、取組みのネットワークにおける仲介役割を担っていることを明らかにした。 次に、(2)商品・サービスの開発に関わった各主体を遺伝子と見なし、商品開発やサービス開発に取り組んだ企業・団体・個人の組み合わせ(農商工連携の取組みに参加[1]、不参加[0]とする)をGTYPE(遺伝子型のことで、GAの操作対象)、農商工連携によって開発された商品をPTYPE(表現型(発現型))として整理した。そして、(3)それをもとにGAを用いたシミュレーション・モデルのプロトタイプを策定した。 問題は、GAにおける利得表の策定であった。利得表の設定によって、どのGTYPEの組み合わせが最も効果的かが決まる。そこで、平成26年度は、事例の売上データを元に利得表の策定を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の予定は、事例に関する時系列での情報収集、事例を基にしたGTYPEとPTYPEの策定、そして平成25年度から平成26年度にかけて、遺伝的アルゴリズムを用いたシミュレーション・モデルの策定と策定したモデルをもとにした農商工連携の継続性と発展性を高めるネットワーキング方策の解明である。 平成25年度末までに、遺伝的アルゴリズムを用いたシミュレーション・モデルのプロトタイプまでできたため、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、最も効果的なGTYPEの組み合わせを明らかにするために、各商品・サービス(PTYPE)の売上高をもとに利得表を策定する。売上データは収集済みであるが、セット商品や商品とサービスの組み合わせ等について不明な点もあるため、追加調査を行う。 利得表を完成させたらシミュレーションを行い、モデルの検証を行う。現時点では、ランダムにGTYPEを策定するランダム選択モデル、より利得の高いGTYPEをエリートと位置づけて顕性(優性)遺伝するエリート選択モデル、GTYPEの一部が突然変異を起こす突然変異モデル、エリート選択と突然変異を組み合わせたモデルのプロトタイプを作っている。まず、これらのモデルでシミュレーションを行い、モデルの改良・作成を行う。 そして、これらの結果をもとに、農商工連携の継続性と発展性を高めるネットワーキング方策を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に予定していた人件費分を、平成26年度に使用することになったため。平成25年度は研究として一人でやる部分が多かったが、平成26年度は人手が必要であるため、平成26年度に平成25年度に予定していた人件費を合わせて利用する。 平成26年度に平成25年度に予定していた人件費を合わせて利用する。
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