2014 Fiscal Year Research-status Report
ハイパースペクトルセンサによるナラ枯れ被害早期予測手法
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25850177
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
小村 良太郎 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00390443)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 森林衰退 / 画像処理 / スペクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
世界的に気候変動や外来生物により森林衰退が広がっており、その防除のために森林衰退を早期予測する技術が必要とされている。日本でも全国的にナラ類大量枯損被害や松枯れによる森林衰退が広がっており問題視されている。本研究ではこれらの枯損被害をケーススタディとして、森林衰退の早期予測技術を確立することを目的としている。研究の計画段階ではナラ類大量枯損被害を対象に観測と分析を行う予定であったが、ナラ類大量枯損被害は被害が発生が一段落しており定期的な試験地を決定することが困難であったため、松枯れを対象とした観測と分析をおこなうこととした。 今年度は松枯れを人工的に発生させる試験地にハイパースペクトルカメラを持ち込み実際に松林の撮影を行い観測を行った。松林の観測ではあわせてスペクトルメータにて同時に観測を行い、ハイパースペクトルカメラによる観測の精度向上について技術開発をおこなった。また、研究室内での室内観測による機器の検証も行い、精度の検証もおこなった。来年度についても、松枯れの自然発生が予想される地区と、松枯れを人工的に発生させる計画のある地区の2カ所で観測と分析を行い、森林衰退の早期発見手法の開発を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は昨年度導入したハイパースペクトルカメラを初めて本格的に運用した。夏ごろに松林へ媒介生物の接種が行われ、夏から秋にかけて月に2回程度観測を行った。機器の操作トラブルにより正常にデータを取得できない状況が見られたが設定を見直し正常にデータが取得できるようになった。冬季にさらなるデータを取得する計画であったが、天候不順のため機器を屋外で用いる事が出来なかったため、観測がほとんど不可能であったため、データに欠落を生じる事となった。来年度早々に観測を再開し、データの取得を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に引き続き、来年度もハイパースペクトルカメラによる観測を継続する。今年度のノウハウを生かし確実なデータの収集につとめる。今年度は悪天候のため野外観測の回数を減らす事態となったため、悪天候に対応できる観測体制について検討する。また、松枯れの研究者との連携体制を築き、スペクトル情報に基づいた早期発見手法の確立と被害の拡大防止方法の検討を行う。 さらに、広範囲のデータを収集するために上空からのマルチスペクトル情報の収集についても検討をおこなう。
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Causes of Carryover |
昨年度の実績をもとに成果発表を行う計画であったが、昨年度は予算の関係上、機器の導入にとどまり成果発表旅費を使用したかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初計画になかった観測機器の悪天候での使用に対応するため活用する計画である。
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