2013 Fiscal Year Research-status Report
リモートセンシング技術による穀物収量の早期予測手法の開発
Project/Area Number |
25850178
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
坂本 利弘 独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (20354053)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | MODIS / Crop Phenology / Corn / remote sensing / USA / yield prediction / soybeans / drought |
Research Abstract |
時系列MODISデータを用いた“Shape model fitting”法を改良し、8月頃までの限られた期間の観測データからトウモロコシ発芽期・絹糸抽出期の推定することができるアルゴリズムを開発した。本アルゴリズムによる発芽期・絹糸抽出期の推定結果は、米国農務省の統計情報とおおむね良く一致していることを確認した。次に、トウモロコシ・大豆の発芽時期の違い(1~2週間)に着目し、前述の発芽期推定結果からトウモロコシ作付圃場の分布を推定することができる「トウモロコシ作付地早期推定法」を開発した。本手法は、過去にトウモロコシが栽培されたことのある地域のみを対象に、発芽期の早い画素をトウモロコシ作付地として判定するものである。また、米国東海岸部・南部・灌漑地域など、トウモロコシの作付面積が少ない州においては、ミクセル影響等を原因として単位収量予測結果が過大・過小評価される傾向にあった。これに対し、複数年の予測誤差平均値をバイアス誤差として予め計算し、予測結果に加えることで、ある程度補正可能であることを確認した。以上3点の改良モジュールを組み合わせることで、トウモロコシ単位収量を8月上旬から早期予測することが可能になった。予測精度の検証として、2000~2007, 2012~2013年のMODISデータについて本早期予測手法を適用した結果、MODIS/Aquaデータが利用できなかった2000~2001年を除いて、郡・州・国レベルの単位収量・平年比を収穫3ヶ月前から精度良く予測することができることを確認した。また、地上検証データの取得方法として、小型ラジコンヘリと定点カメラシステムの予備試験運用を行った。定点カメラについては、データ通信機能の不具合が問題であったが、LT社フィールドカメラとEY社WiFi SDカードの組み合わせにより、準リアルタイムで画像データを回収できることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近接リモートセンシングによる地上検証データ取得(植被率等)については、作物フェノロジー観測用定点カメラシステムのデータ通信機能の不具合等から、今シーズンの圃場観測データの収集がかなわなかった。一方、衛星リモートセンシングについては、時系列MODISデータを使ったトウモロコシ単位収穫量の早期予測手法を確立するなど、当初の計画以上の進展がみられ、総合的な達成度としては、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2014年度のアメリカ産トウモロコシについても単位収穫量の早期予測を行い、その予測精度を検証する。大豆等にも同様のアプローチが応用可能であるか調査するため、引き続き衛星データ解析を行う。作物フェノロジー観測用定点カメラシステム・小型ラジコンヘリを用いて、トウモロコシ・大豆生育の詳細な季節変化データを収集・解析するとともに、衛星リモートセンシングデータとの統合活用方法について検討する。得られた成果については、学会発表するとともに国際誌に投稿する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度の購入物品として大型の空撮用無人ヘリコプタ一式を予算計上していたが、より安価な小型ヘリコプターによる代替利用が可能でかつ、大型機よりも安全性が高いことが明らかになり、当初見込みよりも低い購入費により未使用額が生じた。また、当初予定していた人件費の支出が不必要になったため、相当分の未使用額が発生した。 2013年度の研究成果である衛星リモートセンシング解析結果の検証のために、高解像度衛星データの購入が新たに必要となったため、未使用額についてはその購入経費にあたることとしたい。
|
Research Products
(1 results)