2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25850188
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
白石 純一 日本獣医生命科学大学, 公私立大学の部局等, 助教 (50632345)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳 / キメラ / ニワトリ / 初期成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳キメラ鶏の特異的な代謝調節における『脳』の働きを理解するために,DNAマイクロアレイを用いて、視床下部における発現遺伝子群の推定を試みた。孵化後11日齢時に採取した終脳および浅胸筋からDNAを抽出し,CHD遺伝子の性特異的領域のDNA増幅を行い性判別した。脳と末梢がともに♀型を示す4種の脳キメラ鶏BB(脳Broiler×末梢Broiler),LB(脳Layer×末梢Broiler),BL(脳Broiler×末梢Layer),LL(脳Layer×末梢Layer)の視床下部からTotal RNA抽出を行い、RNA濃度および純度を確認した。マイクロアレイ解析はアジレントテクノロジー社製のChicken DNAマイクロアレイ(Chicken V2)を用いて各脳キメラ鶏の視床下部に発現する遺伝子を半定量した。抽出した遺伝子は,パスウェイデータベースKEGG PATHWAYおよびDABID Bioinformatics Resourcesを用いて,発現変動遺伝子群の分類を行った。そして,BLおよびLBのものについても比較し,脳と末梢の組み合わせの違いによる発現変動についても検討した。 マイクロアレイ解析の結果,LLに比べてBBで遺伝子発現シグナルが2倍以上あったものは321遺伝子であったのに対し,1/2以上のものは295遺伝子であった。パスウェイ解析の結果,それらの遺伝子は①腸管免疫機構における応答因子,②ヒスチジン,チロシン,トリプトファンなど中枢神経においても重要なアミノ酸代謝経路,③フルクトース,マンノースなどの糖類に関与する代謝経路に関連する遺伝子群などであった。また,これら遺伝子群のなかでBLあるいはLB脳キメラで特徴的な遺伝子発現パターンを示すものもあった。 以上のことから,『鶏種』および『脳と末梢の組み合わせ』の違いによって発現変動する遺伝子群の存在が明らかとなった。
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Research Products
(7 results)