2014 Fiscal Year Research-status Report
トキソプラズマ原虫遺伝子破壊株を用いた宿主寄生機構の解明
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25850197
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
岡田 只士 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 研究員 (30623855)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トキソプラズマ原虫 / dense granule protein |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はトキソプラズマ原虫の宿主寄生機構解明を目的とする。dense granule proteinは宿主細胞への寄生時に形成される寄生胞の内部へと分泌される一群のタンパク質で、原虫が生育する微細環境維持に関わる。言い換えれば、これらのタンパク質の機能解明は原虫の宿主寄生機構解明につながると言える。本研究では当研究室で同定された新規dense granule protein (C2BP)に関して、C2BP遺伝子破壊株の表現型解析及び組換えC2BPタンパク質を用いた生化学的解析を行い、C2BPの機能解析を行った。 昨年度は、C2BP遺伝子破壊株の表現型解析より、C2BPタンパク質が、宿主から脱出(エグレス)時期制御に関わるタンパク質であることを見出し、この新規dense granule protein (C2BP)をGRA22と命名し、論文発表を行った。 本年度は、GRA22と相互作用するdense granule proteinを探索することを目的に、組換えGRA22タンパク質を用いた生化学的解析を行った。組換えGRA22及びその他のdense granule protein発現ベクターを作成し、培養細胞を用いて、共発現及び免疫沈降法による解析を行ったところ、GRA6、GRA15の2種類のdense granule proteinがGRA22と相互作用していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、当初研究計画よりやや遅れていると判断する。 GRA22以外のdense granule protein発現ベクターの作成、予備実験(タグの位置・免疫沈降の条件など)に想定以上の時間がかかってしまったことが原因と考える。今後、研究のペースを上げることでリカバリーする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果より、GRA6、GRA15など、いくつかのdense granule proteinがGRA22と相互作用していることが示唆された。今後は、GRA6、GRA15などに関して、組換えタンパク質の作成、ポリクローナル抗体の作成、感染細胞内におけるGRA22とその他のdense granule protein(GRA6、GRA15など)との相互作用などの確認を行い、GRA22の生理機能を生化学的手法で明らかとしていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画より研究の進展に遅れが出ているため、行う予定であった実験の一部に未だ実行できてないものがあり、予定より多くの研究費が未使用となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度、実験予定であった研究で使用する予定である。また、実験時間短縮のためキットの購入や一部の生化学解析においては外注することも検討している。次年度は最終年度であるため、研究成果の公開(論文発表や学会参加など)に昨年度及び本年度よりも多めに費用を使用する予定である。
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