2015 Fiscal Year Annual Research Report
トキソプラズマ原虫遺伝子破壊株を用いた宿主寄生機構の解明
Project/Area Number |
25850197
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
岡田 只士 中部大学, 生命健康科学部, 研究員 (30623855)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トキソプラズマ原虫 / dense granule protein / egress |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究により、GRA22がGRA6やGRA15などいくつかのdense granule proteinと相互作用することが示唆されていた。そこで、それらのdense granule proteinについても組換えタンパク質の作製、マウスへ免疫し、ポリクロナール抗体を作製し、それらを用いて、トキソプラズマ原虫感染細胞内におけるGRA22との相互作用の解析を行った。しかしながら、トキソプラズマ原虫感染細胞内におけるGRA22とその他のdense granule proteinとの相互作用は確認できなかった。研究期間全体を通した成果としては、トキソプラズマ原虫における新規のdense granule proteinを報告した。遺伝子破壊株を用いた表現型解析より、このdense granule proteinがトキソプラズマ原虫の宿主細胞からの脱出(egress)時機制御に関わるタンパク質であることを報告した。GRA22のegress制御機構を解析する目的で、GRA22と相互作用するdense granule proteinを探索したところ、GRA6やGRA15などいくつかのdense granule proteinがin vitro条件下では相互作用することが示唆されたが、トキソプラズマ原虫感染細胞を用いたin vivo解析では相互作用は見いだせなかった。GRA22のegress制御機構を明らかとするために、さらに生化学的な解析を進める必要がある。本研究により、トキソプラズマ原虫のegress制御機構に新規dense granule protein (GRA22)が関わることが明らかとなった。トキソプラズマ原虫の宿主寄生機構を解明するために、dense granule proteinや他のタンパク質に関し、さらに研究を進めて行く必要がある。
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