2014 Fiscal Year Research-status Report
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25850199
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
麻田 正仁 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (40587028)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バベシア原虫 / 遺伝子改変 / 獣医寄生虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
バベシア原虫はマラリア原虫、トキソプラズマ原虫と同じアピコンプレクサ門の原虫であり、哺乳類宿主の赤血球内に寄生することでピロプラズマ病を引き起こす。近年申請者はバベシア原虫における遺伝子改変技術を開発し、緑色蛍光タンパク(GFP)を発現する原虫を作製した。さらに同原虫での任意遺伝子のノックアウトに世界に先駆け成功した。GFP発現原虫を用いたタイムラプスイメージング解析により、赤血球寄生ステージ原虫 (メロゾイト)が赤血球侵入時に滑走すること、またマラリア原虫とは異なる様式で赤血球に侵入することなど、バベシア原虫にユニークな生物特性を見出した。本研究は、同原虫におけるメロゾイト滑走運動・赤血球侵入の分子メカニズムを遺伝子改変技術とバイオイメージング技術を併用して解明することを目的としている。 本年度は当初の計画の通り、ⅰ. 新規バベシア原虫遺伝子改変技術の開発、及びⅱ. メロゾイト滑走運動機構の解明に取り組んだ。ⅰ.においては遺伝子のダブルトランスフェクション法の開発を進め、ブラストシチジン耐性遺伝子を薬剤選択マーカーに用いたダブルトランスフェクション法に成功し、論文として発表した。また、非安定化ドメイン(DD)を用いた遺伝子発現調節法についても開発を行い、DDタグ付きGFPの発現をShieldを用いて調節することに成功した。ⅱ.においてはアピコンプレクサ門原虫の滑走や宿主細胞侵入に関与するとされるTRAPファミリー遺伝子に着目し、昨年度得ることが出来なかったTRAP4遺伝子についてノックアウト原虫の作製を行った。その結果TRAP4のノックアウトを示唆するGFP発現原虫が得られたため、今後詳細な表現型の解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度についても研究計画に沿った実験が遂行された。ⅱ. メロゾイト滑走運動機構の解明において遺伝子ノックアウト原虫の作製における当初研究計画からの遅れがあるが、ⅰ. 新規バベシア原虫遺伝子改変技術の開発はほぼ計画通り研究が達成された。 ⅰ. 新規バベシア原虫遺伝子改変技術の開発 昨年度成功したダブルトランスフェクション法についてデータを揃え、論文として発表した。ダブルトランスフェクション法は今後複数遺伝子のノックアウトを行うにあたって必須の技術であるため、本研究成功の意義は大きい。また、今年度は非安定化ドメイン(DD)を用いた遺伝子発現調節法の開発に成功した。 ⅱ. メロゾイト滑走運動機構の解明 TRAPファミリー遺伝子に着目し、全ての同遺伝子ファミリーについてシングルノックアウト原虫の作製を行った。その一方、その他の分子については今年度遺伝子組換え原虫の作製に着手できず、当初研究計画からの遅れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り研究を遂行する予定である。 ⅰ. 新規バベシア原虫遺伝子改変技術の開発 については当初予定の計画はほぼ完了しており、必要に応じTRAPファミリー遺伝子のダブルノックアウトを行う予定である。 ⅱ. メロゾイト滑走運動機構の解明 これまで得られたTRAPファミリーシングルノックアウト原虫の表現型解析を進めると共に、他のロプトリーやミクロネームタンパク質についても研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
ⅱ. メロゾイト滑走運動機構の解明 において当初の研究計画から遅れがみられるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ⅱ. メロゾイト滑走運動機構の解明 においてTRAPノックアウト原虫の表現型解析並びに新たな遺伝子改変原虫の作製に使用する。
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Research Products
(6 results)