2016 Fiscal Year Annual Research Report
Toward the development of prognostic indicator and treatment strategy of mitral regurgitation focusing on atrial function
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25850203
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 健介 北海道大学, 獣医学研究科, 助教 (80625898)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 左心房機能 / ストレイン / 僧帽弁逆流 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は腱索断裂により僧帽弁逆流を引き起こす僧帽弁逆流モデルを作成し、左心房機能指標の経時的変化を評価する予定であったが、モデル犬の作成が思うように進まず、こちらの検討は断念せざるを得なかった。 代わりに、「LA strain法」を用いた検査が本施設においても可能となり、これを僧帽弁逆流の自然発症犬に対して実施し、本疾患の重症度との関連性を評価する臨床研究を実施した。LA strain法は、心内腔の断面積変化率やドプラ法による血流速度を基に評価していた従来の方法とは異なり、心筋壁そのものの伸縮を評価することが可能であり、従来法よりも優れた心機能評価指標となることが期待される手法である。すでに人の左室心筋の機能評価においては従来法を凌駕する方法であることが示されており、医療においては広く日常診療においても使用されている。近年はこの手法を左心房へ応用する試みが行われており、人の心筋症や僧帽弁逆流において、本法を用いた心房機能評価指標が重症度や予後とよく相関することが示され、新たな心房機能評価法として確固たる地位を築きつつある。本研究においても、strain法による左心房機能指標が断面積変化率を用いた指標よりも高い精度をもって犬の僧帽弁逆流の重症度を判別できることを明らかとした。具体的には臨床ステージの進行とともに左心房のリザーバー機能、ブースター機能指標が低下すること、さらにはうっ血性心不全発症群と非発症群を区別する上ではstrainによるブースター機能指標が最も高精度であったこと、などを明らかとした。これらの成果はJournal of veterinary internal medicineに投稿し、受理された。
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