2014 Fiscal Year Annual Research Report
イヌ炎症性乳癌に対するRNA干渉を利用した治療法開発
Project/Area Number |
25850207
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
村上 麻美 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (30597125)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Fascin-1 / 犬 / 炎症性乳癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Facin-1 はアクチン結合タンパクであり,生理的および病的な状態下で細胞運動に極めて重要な役割を果たしている.また,Facin-1 はE-cadherin の発現減少を含むEpithelial-Mesenchymal Transition (EMT;上皮間葉移行) に関与していることや,MMP-9 を過剰に発現および活性化させることが報告されている. 犬炎症性乳癌においても,Matrix Metalloproteinases (MMPs)や細胞接着分子のE-cadherin およびβ-cateninの発現の減少と発現部位の変化がある事を明らかとしており,EMTが関与している可能性が考えられる.これらの因子の上流に存在する制御因子であるFasin-1およびmicroRNA-145(miRNA-145)を用いた犬炎症性乳癌の新規治療法の研究基盤を確立する事が目的である.しかしながら,犬炎症性乳癌や犬乳癌のパラフィンブロックを用いた病理組織標本で,両腫瘍においてFascin-1発現の有無に有意差は認められなかった. そこで,現在まで犬自然発生腫瘍でのFascin-1発現の検索を開始した.犬自然発生腫瘍では上皮性腫瘍での発現は乏しく悪性間葉系腫瘍での強発現が認められた.そのうち,治療方法の乏しい線維肉腫および血管肉腫に焦点をあてて予後調査を実施したところ,線維肉腫ではFasicn-1発現の有無で局所再発あるいは転移に関与することが明らかとなり予後因子となる可能性が示唆された.一方血管肉腫では,予後が極めて短期であるため予後因子となる可能性は否定された.線維肉腫についてFascin-1の発現が再発や転移にどのように関与しているか検索した。
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