2015 Fiscal Year Annual Research Report
犬のB細胞型リンパ腫における新規腫瘍抗原の同定と診断・治療への応用
Project/Area Number |
25850211
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
古家 優 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (30500706)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腫瘍抗原 / 犬 / リンパ腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍抗原は癌細胞に特異的に発現するタンパク質であり、腫瘍診断マーカー、癌ワクチン、免疫療法、標的治療薬などの開発に有用な素材として注目されている。本研究計画では、近年特に治療成績の向上が求められている犬のリンパ腫を対象とし、cDNAファージライブラリーから患者血清を用いた免疫学的スクリーニングであるSEREX法を用いてB細胞型リンパ腫における新規の腫瘍抗原の同定を試みた。 平成26年度までに、腫瘍抗原候補タンパク質をコードするファージクローンが26種得られ、それらの遺伝子を同定することができた。ファージクローンが発現するタンパク質と健常犬血清 (n=10) およびリンパ腫に罹患した犬の血清 (n=17) を用いて、プロテインアレイを行い、その反応を定性的に調べたところ、リンパ腫に罹患した犬17頭中13頭の血清が、単離された16種のいずれかのタンパク質と陽性反応を示した。中でも、犬の既報タンパク質ACOX1、HPS4、KIF15、SYCP1、TMBIM6と相同性の高いタンパク質5種が、17頭中3頭 (17.6%) で陽性反応を示した。一方、10頭の健常犬血清と陽性反応を示す腫瘍抗原候補タンパク質は確認されなかった。また4頭のB細胞型リンパ腫罹患犬について、発症時と完全寛解時の血清で同定された抗原候補タンパク質との反応性を比較したところ、それぞれ発症時と完全寛解時の血清で反応した抗原が異なった。したがって、定性的な反応系では、特異的なタンパク質を同定するには至らなかったため、大腸菌発現系を用いてACOX1、HPS4、KIF15、SYCP1、TMBIM6それぞれの組換えタンパク質を作製し、それらを抗原としたELISAシステムを樹立した。今後臨床サンプルを増やし、定量的な検出系を確立する必要がある。
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[Journal Article] Characteristics of bone fractures and usefulness of micro-computed tomography for fracture detection in rabbits: 210 cases (2007-2013)2015
Author(s)
Sasai H, Fujita D, Tagami Y, Seto E, Denda Y, Hamakita H, Ichihashi T, Okamura K, Furuya M, Tani H, Sasai K, Yamate J.
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Journal Title
Journal of the American Veterinary Medical Association
Volume: 246
Pages: 1339-1345
DOI
Peer Reviewed
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