2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25850225
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
松山 秀一 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所家畜飼養技術研究領域, 主任研究員 (50455317)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子宮 / 幹細胞 / 牛 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウシにおいては、分娩を機に受胎率が低下することが知られているが、その原因については未だ解明されていない。分娩時には、胎子の娩出とともに胎盤が剥離し、子宮は大きく損傷を受ける一方で、その後速やかに子宮内膜が再生され、子宮の修復がおこる。申請者は、経産牛における受胎率の低下は、分娩後の子宮内膜再生の不具合に原因があるのではないかと着想した。本研究では、ウシの分娩後における子宮内膜再生メカニズムを明らかにする第一歩として、ウシの子宮内膜における幹細胞の存在について検討することを目的とした。まず、ウシ子宮内膜上皮細胞の培養細胞(P1)を用い、DNA染色剤Hoechst33342にて染色後、フローサイトメーターを用いてSide Population (SP) 画分を得た。得られたSP画分がABCトランスポーターの阻害剤で消失したことから、ウシにおいても子宮内膜幹細胞が存在する可能性が示された。ウシ子宮内膜上皮細胞におけるSP分画の割合は一定でなく個体間で大きく変動していたことから、ウシ子宮内膜上皮SP細胞の発現機序について、今後さらに検討を進める必要がある。また、ウシ子宮内膜上皮SP細胞の遺伝子発現についてマイクロアレイ解析を行った結果、ウシ子宮内膜上皮SP細胞では組織・上皮増殖や細胞接着、免疫機能に関わる遺伝子の発現量が高く、ヒトの子宮内膜上皮SP細胞における遺伝子発現パターンに近いことが明らかとなった。しかし一方で、ウシ子宮内膜上皮SP細胞は、骨、脂肪、軟骨等の中胚葉由来組織に分化しなかったこと、さらには子宮内膜上皮SP細胞を免疫不全マウスの皮下へ移植した後、移植部位に子宮内膜様組織が確認できなかったことから、ウシの子宮内膜再生メカニズムは幹細胞が寄与するヒトの子宮内膜更新とは異なる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)