2014 Fiscal Year Research-status Report
幼若ホルモンが有する変態抑制作用の分子メカニズム解明
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25850230
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
粥川 琢巳 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫成長制御研究ユニット, 主任研究員 (70580463)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | juvenile hormone / ecdysone / Kruppel homolog 1 / broad complex / metamorphosis / cis-element / trans-element / bombyx mori |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究テーマ①:Kr-h1のターゲット遺伝子の探索と機能解析> ChIP-seqのシーケンスデータを解析した結果,約2000近くのKr-h1の結合サイトが予測された.これらの結合サイトの偽陽性を除去するために,新たに2種のtagをつけたKr-h1強制発現培養細胞をそれぞれ作製し,ChIP産物をシーケンス委託会社に依頼した.また,培養細胞を用いたKr-h1の強制発現およびRNAi解析により,Kr-h1のターゲット遺伝子を単離することに成功した.レポーターアッセイによりKr-h1の結合サイトを明らかにし,EMSAにより結合サイトへのKr-h1の結合を生化学的に証明することができた.
<研究テーマ②:エクダイソン初期応答遺伝子を抑制するJH誘導性因子の探索と機能解析> 培養細胞系を用いてBR-Cのプロモーター解析を行った結果,JHによるBR-Cの抑制に関わるcis-element(JH応答配列)の特定に成功した.さらに,この応答配列を介した発現抑制に必須なtrans-element(転写因子)を見出すことに成功した.現在投稿論文作成中.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究テーマ①は計画通り順調に進行しており,研究テーマ②のエクダイソン誘導性蛹化決定因子の解析が予定より早く完結した.
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Strategy for Future Research Activity |
<研究テーマ①:Kr-h1のターゲット遺伝子の探索と機能解析> 2回目のChIP-seqのシーケンスデータを解析し,Kr-h1の結合サイトを特定すると共に,ターゲット遺伝子の予測を行う.得られた候補遺伝子は,定量PCRを用いて再現性を確認すると共に,EMSAによりKr-h1とターゲット遺伝子の結合を生化学的に証明する.
<研究テーマ②:エクダイソン初期応答遺伝子を抑制するJH誘導性因子の探索と機能解析> 蛹化決定因子(pupal specifier)であるBR-CのJHによる抑制分子機構を明らかにすることができたので,今年度は成虫化決定因子(adult specifier)のJHによる抑制分子機構を明らかにする.
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Causes of Carryover |
定量PCRができなかった実験があるため,その分の差額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度中に定量PCRを行うので,試薬を購入する.
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Research Products
(8 results)