2015 Fiscal Year Annual Research Report
幼若ホルモンが有する変態抑制作用の分子メカニズム解明
Project/Area Number |
25850230
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Research Institution | 国立研究開発法人農業生物資源研究所 |
Principal Investigator |
粥川 琢巳 国立研究開発法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域・昆虫成長制御研究ユニット, 主任研究員 (70580463)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | juvenile hormone / ecdysone / Kruppel homolog 1 / broad complex / metamorphosis / cis-element / trans-element / bombyx mori |
Outline of Annual Research Achievements |
幼若ホルモン(JH)は,昆虫の幼虫から蛹への変態を抑制するホルモンとして知られているが,その詳しい抑制分子メカニズムは明らかにされていなかった.本研究では,脱皮ホルモン(エクダイソン)依存的に誘導されれる蛹化決定遺伝子(Broad complex, BR-C)に注目し,培養細胞系を用いてBR-Cのプロモーター解析を行い,この抑制分子メカニズムを解析した.その結果,JHによるBR-Cの抑制に関わるcis-element(JH応答配列,JHRE)の特定に初めて成功した.さらに,JHREを介した発現抑制に必須なtrans-element(転写因子,Kr-h1)を見出した.これらの結果から,JHよって誘導されたKr-h1がBR-Cの上流にあるJHREに結合し,エクダイソン依存的なBR-Cの転写を抑制することで,蛹化を抑制していることが明らかになった.
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Research Products
(9 results)